タイトル |
畦畔被覆シートの営農的施工技術 |
担当機関 |
三重県科学技術振興センター |
研究期間 |
2000~2001 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
2000 |
要約 |
畦畔の漏水防止対策と除草作業の省力化が図れる、畦畔被覆シートの営農的施工技術を開発した。ロール状に巻かれたオレフィン樹脂製のシートをトラクタにセットできるホルダを開発したことにより、あぜ塗り機で畦畔を整形し、溝掘機で埋設用の溝を掘り、ホルダにセットしたシートを展張し、ロータリで埋め戻し、トラクタの車輪で踏圧する一連の営農的施工ができる。
|
背景・ねらい |
畦畔管理作業では、種々の草刈機や除草剤が使用されているが、労力や資材費がかかりそれらの節減が求められている。最近、強度があり畦畔からの漏水防止効果も期待できるシートが開発されたが、シート重量が重いため施工するには土木作業用の機械が必要になる。 そこで、ロール状に巻いたシートをほ場内へ運搬し、畦上に展張するための作業機(トラクタ装着:シートホルダ)を基幹とした畦畔被覆シートの営農的施工技術を確立する。
|
成果の内容・特徴 |
- シートホルダは運搬用フレーム、保持用パイプ及びガイドフレームで構成されており、幅1~2m程度のシートロールをセットできる。図1に示すように、シートホルダをトラクタにセットし、ホルダとトラック荷台上のシートロールの芯の位置をあわせ、保持用のパイプを通し、ロックボルトで固定する。
- 施工は、(1)畦畔を長持ちさせるため、畦畔のわら雑草等を取り除き、ディスク型あぜ塗り機で畦畔塗り固める。次に、(2)シートの裾を埋設するための溝を掘る。(3)トラクタにホルダとシートをセットし、ほ場に進入する。シートの端を押さえてトラクタを前進させるとロールの回転とシートの重さで畦畔表面に沿ってシートが敷設される。(4)シートの裾を押さえるため土を掛け締め固める。ロータリの爪を片方向に向けた状態で溝の肩の部分を耕起すると溝に土が戻る。埋め戻した部分をトラクタの車輪で踏み固める。一度に埋め戻して踏み固めると締まりが悪いので3回程度繰り返す。
- 敷設、埋め戻し、踏圧をトラクタ2台と補助者1名の組人員3名で100m施工するのに要する時間は、約40分であった。
- 使用したシートは、オレフィン樹脂のグリーン色、厚さ1.2 mm、幅1~1.5m、長さ30~100m、重さ1 kg/m2、耐用年数10年以上、価格700円/m2である。
|
成果の活用面・留意点 |
- 大規模農家および営農集団で施工に適している。
- 40 ps以上で作業機自動水平装置付きのものが望ましい。またシートの重量が片側にかかるため圃場の進入等には注意し、地耐力が弱いところを避ける。
- 農道沿いの畦畔及び隅の処理は、手作業が必要である。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
カテゴリ |
病害虫
畦畔管理
雑草
省力化
除草
除草剤
|