タイトル |
管水路型式小排水路の堆砂防止 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
背景・ねらい |
ほ場整備事業の排水路は従来開水路が採用されてきたが、土地改良設計基準の改訂により管水路型式小排水路(以下管排水路と記述)が認められ、水路勾配1/300~1/500、許容最小流速0.6m/s程度の設計条件が定められている。しかし、管排水路では長期使用における異物混入や土砂堆積に伴う機能低下が懸念されるので、現場での排水管理と土砂堆積状況を調査して維持管理および施工上の問題点を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 調査場所は、支線農道で囲まれた農区の排水を行うため、口径500~400mmのヒューム管を水路勾配 1/400で施工した管排水路で、維持管理用の直径 900mmのマンホールが50m間隔で設置され、水路末端には水位調節用の放流ゲートを備えている(図1)。工事施工後7年間(H5~11)の管排水路内の土砂堆積状況は、自然排水のみで排水管理された41路線では、マンホール内の深さ 200mmの土砂溜めに土砂が溢れ、管排水路本体内にも最大25mmの土砂堆積が生じる。一方、水路末端の放流ゲートを開閉して一挙排水により排水管理された37路線では、流速の速くなる下流のマンホール程土砂堆積は少なく、管排水路本体内の土砂堆積は全く見られない。更に、土砂溜めを一旦掃除した後で行った1年間(H12)の調査も、同様の状況を示している(表1)。
- 一挙排水は芽干し、除草剤散布、中干しおよび落水時に行うが、管水路内の流速を速く(満流時で 1.04m/s:ヘーゼン・ウイリアムス式による)して土砂堆積を防止する(図2)。
- マンホール内の土砂の粒度分布は、水田土壌に比較して 0.075mm以下のシルト・粘土分が少なく、細粒な土粒子分は排水によって流去される(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
排水口と暗渠排水は、土砂堆積の影響を受けないように管排水路底高以上の高さでマンホールに接続する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
除草剤
水位調節
水田
水管理
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