田面の凹凸を考慮した圃場用排水解析手法

タイトル 田面の凹凸を考慮した圃場用排水解析手法
担当機関 千葉県農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 2次元不定流差分解析手法に、可変メッシュ分割、田面凹凸を考慮した陸地判定、作土層を含めた浸透機構を導入することにより、圃場の表面排水や初期かん水の解析を効率的に行うことができる。
背景・ねらい 高生産性水田農業を展開するために水田の大区画化が図られている。そこでは、直播栽培の導入が検討されているが、栽培の安定化を図るためには、迅速・確実な用排水管理が求められている。しかし、様々な区画形状に対応した用排水の実証試験を実施することは難しい。このため特に、従来の解析手法では未解決な、田面の凹凸が影響する低水位での用排水解析を行う手法を開発する。
成果の内容・特徴 基本的解析手法は運動方程式と連続方程式からなる2次元不定流差分解析手法とし、水田の用排水を解析するため新たに以下の点を考慮した。
  1. 作溝等を含む解析の際には、作溝幅に合わせたメッシュを圃場全体に適用して解析していた。しかし、メッシュ幅を可変として分割数を減らす(図1)ことにより、解析精度を確保しつつ、計算時間を大幅に短縮することができる。
  2. 作土・心土の浸透機構(図2)を導入することにより、初期かん水における水足の前進状況を的確に再現することができる。
  3. 一般的な不定流解析手法を水田の用排水解析に適用すると、田面の複雑な凹凸状態により、低水位領域において、解析上局所的に陸地化が生じ、それ以上計算できなくなる場合が多い。そのような場合でも、周辺水位を考慮しながら陸地への流入を許容する陸地判定手法を導入することにより、解析が可能となる。
    以上の手法による解析結果と実測結果を比較したところ、圃場の表面排水や初期かん水の時間的経過を精度よく再現することができた(図3、図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 長・短辺方向で、メッシュ幅が大きく異なる場合には、排水口等の流速が速くなる部分について、長・短辺方向のメッシュ幅を同一とする必要がある。
  2. 粗度係数は、代かき直後状態での表面排水の解析ではn=0.03とし、耕起直後状態での初期かん水の解析ではn=0.10とすると、それぞれ精度よく計算できる。
図表1 216442-1.gif
図表2 216442-2.gif
図表3 216442-3.gif
図表4 216442-4.gif
カテゴリ 直播栽培 水田 水管理

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる