県産ホウレンソウの栽培時期別及び栽培方法別の品質

タイトル 県産ホウレンソウの栽培時期別及び栽培方法別の品質
担当機関 千葉県農業試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 県産ホウレンソウは栽培時期や栽培方法によって生育日数、糖及びビタミンC含量が大きく異なる。硝酸含量は、露地、トンネル、ハウス、水耕栽培の順に多くなる傾向にあるが、葉色との関係は認められない。
背景・ねらい 周年供給される県産のホウレンソウについて、外観、内容成分、商品性保持期間などの正確な情報を得る。科学的な品質情報が伝えられることにより、県産野菜のイメージアップを図るとともに、高品質野菜生産への一助とする。
成果の内容・特徴
  1. 県内で生産・出荷される、露地、トンネル、ハウス、水耕の4栽培型、5月、8月、12月、3月収穫の4作型の計61点(14品種)のホウレンソウの生育期間(播種してから収穫までに要した日数)及び品質を調査した。
  2. 栽培時期や栽培方法によって、ホウレンソウの生育期間は21~ 140日と差がある。栽培時期による生育期間の差は水耕栽培では小さく、露地栽培では大きい。
  3. 成分含有量は、糖では0.01~1.52g/100gFW、ビタミンCでは3~81mg/100gFWと大きな差があり、生育期間とこれらの含有量との間には、生育の停滞する厳冬期の期間を除けば、正の相関(ビタミンC:r=0.78**、糖:r=0.73**)がある(図1、図2)。
  4. 硝酸含量にも800~7,300ppm(新鮮重当たり)の差があり、61点の平均は 3,300ppmである。硝酸含量は露地、トンネル栽培では少なく、ハウス、水耕栽培で多い傾向が見られる(図3)。
  5. ホウレンソウの硝酸含量と最大葉の葉色(色彩色差計による測色値:L*・|b*|/a*)の間には有意な関係がない(図4)。
  6. 品質に及ぼす品種の影響は、栽培時期や栽培方法による違いと比べて小さい。
  7. 10℃下に放置したときの商品性保持期間は2~12日間と差があり、平均では 6.5日間である。栽培期間中に泥はね等の影響の少ないハウスや水耕栽培では、内容成分は少ないにもかかわらず商品性保持期間が長い傾向にある(図5)。
  8. ホウレンソウの価格は内容成分の多少よりも商品性保持期間などに影響されている(図6)。
成果の活用面・留意点
  1. 品質解析結果を普及情報などとして生産者や消費者に周知する。
  2. 栽培時期・方法別の硝酸含量の結果を低硝酸化栽培技術の開発に応用する。
図表1 216446-1.gif
図表2 216446-2.gif
図表3 216446-3.gif
図表4 216446-4.gif
図表5 216446-5.gif
図表6 216446-6.gif
カテゴリ 栽培技術 出荷調整 水耕栽培 播種 品種 ほうれんそう

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