ランドレース種育成豚の蹄形状の変化と蹄にかかる体重負荷重量の推移

タイトル ランドレース種育成豚の蹄形状の変化と蹄にかかる体重負荷重量の推移
担当機関 千葉畜総研
研究期間 1998~2003
研究担当者 井口元夫
一円央子
園原邦治
高橋圭二
斉藤庸二郎
大澤浩司
内藤昌男
発行年度 2001
要約 豚では、体重が30kgから90kgまでの底面積、蹄底長、蹄底幅および底長は、いずれも体重が増えるに従い大きくなるが、蹄形状の相対的な成長に変化はなく、内外蹄比率も変化しない。また、四肢の底面積1平方cm当たりの平均負荷重量は、30kgから60kgまでの増加量が、60kgから90kgまでの増加量より著しく大きい。
キーワード [フリーキーワード]豚、蹄、底面積、蹄底長、蹄底幅、底長、内外蹄比率
背景・ねらい これまで、豚の内外蹄比率(内側蹄底面積/外側蹄底面積)が、肢蹄の強健性に影響を与えることを明らかにした。しかし、骨や筋肉が最も発達し体重が著しく増加する育成段階において、その負荷が蹄の形状に対してどのような影響を及ぼすのかは、明らかでない。そこで、ランドレース種100頭(雄35頭、雌65頭)を用い30kg、60kgおよび90kgにおける蹄の形状を測定(図1)し、併せて四肢の底面積1平方cm当たりの平均負荷重量について調査した。なお、供試豚は、生後7週以降コンクリート床の豚房で飼育した。
成果の内容・特徴
  1. 底面積、蹄底長、蹄底幅および底長は、いずれも体重が増えるに従って大きくなった(表1)。
  2. 前肢、後肢とも、30kgから90kgまでの間に、底面積で約2.0倍、蹄底長・蹄底幅で約1.5倍、底長で約1.4倍に成長した。また、面積、長さとも30kgから60kgまでの成長率が、60kgから90kgまでの成長率より高い値を示した(表1)。
  3. 蹄底面積、蹄球面積および底面積は、前肢、後肢とも、いずれの時点(30kg・60kg・90kg)でも外側蹄が内側蹄より大きな値を示した。また、各体重間の底面積の相関係数は、いずれも正の相関が認められた(P<0.05、P<0.01)。
  4. 内外蹄比率は、いずれの時点でも前肢が後肢より大きな値を示した。また、各体重間の内外蹄比率の相関係数は、いずれも正の相関が認められた(表2)。
  5. 蹄底幅は、前肢、後肢ともいずれの時点でも外側蹄が内側蹄より大きな値を示した。底長は、後肢でいずれの時点でも外側蹄が内側蹄より大きな値を示した。また、各体重間の蹄底長、蹄底幅および底長の相関係数は、いずれも正の相関が認められた(P<0.05、P<0.01)。
  6. 四肢の底面積1平方cm当たりの体重負荷重量は、体重が増加するに従い増加し、特に30kgから60kgでの負荷重量の増加量が、60kgから90kgの増加量より著しく大きな値を示した(図2)。なお、発育日数は、30kgから60kg、60kgから90kgともに40日前後と差は認められなかった。
成果の活用面・留意点
  1. 体重30kgから60kgまでの間は、60kgから90kgまでよりも底面積1平方cm当たりの体重負荷重量が多いので、肢蹄のケアに対して特に重要な時期であることが示唆された。
図表1 216513-1.gif
図表2 216513-2.gif
図表3 216513-3.gif
図表4 216513-4.gif
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