タイトル |
代かき同時播種機を用いたコシヒカリの湛水土中点播による安定栽培技術 |
担当機関 |
茨城農総セ農研 |
研究期間 |
1998~2001 |
研究担当者 |
狩野幹夫
田中研一
飯島智浩
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発行年度 |
2001 |
要約 |
適正播種深度を確保するのには、ゴルフボールの露出高5~20mm程度の播代硬度とし、ひたひた水状態で30×20cmに播種する。基肥窒素量は慣行施肥が移植の40%減肥、全量基肥ではLP40とLPS120のブレンド肥料で安定した収量・品質が得られる。
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キーワード |
湛水土中点播、コシヒカリ、播代硬度、水深、点播密度、窒素施肥法
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背景・ねらい |
茨城県における水稲直播面積は他県に比べて少ないものの年々増加傾向を示し、稲作経営の中に定着しつつある。従来から直播栽培向け品種としてキヌヒカリやゆめひたちを進めてきたが、米価が低迷している現在、米価の高いコシヒカリの直播栽培確立の要望が高くなってきている。そこで湛水直播のなかでも倒伏に強いといわれている打込式代かき同時播種機を用いたコシヒカリの湛水土中点播栽培について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 適正播種深度7~10mmを確保するのには、ゴルフボールを田面20cmの高さから落下させ、その露出高5~20mm程度が播代の硬さの目安である。また、播種作業時の田面水はひたひた水状態から水深3cm以下で播種する(図1)。
- 点播の個体当たりの分げつは、移植に比べ1次分げつ及び2次分げつとも下位節から発生し、分げつ数も多くなるため、茎数は多めに推移する(図2)。倒伏させないためには播種後40~50日頃の茎数が単位面積当たり400本を上回る場合、水管理で分げつを抑制する(データ省略)。
- コシヒカリの点播密度は密播ほど倒伏しやすく収量、品質が不安定になるため、30×20cm、苗立ち数は単位面積当たり60~80本程度で安定した収量が得られる(図3)。
- 窒素の施肥法は一般施肥では移植の標準施肥量の40%減肥+穂肥、全量基肥施肥ではLP40とLPS120を1:1に配合した肥料がLP40、LPSS100、LPS120のブレンド肥料より適し、稚苗移植の基肥+穂肥窒素量の20%減肥相当量を施用することで安定した収量、品質が得られる(表1)。
- 以上の個別技術を組み合わせることにより、実用的な収量、品質が得られる(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 中粗粒グライ土及び泥炭土(現地実証試験)における4月下旬に打込式代かき同時播種機を用いて播種した結果である。
- 代かきはていねいに行い、均平にこころがける。
- 播種作業時の田面水は原則としてひたひた水状態で播種し、部分的に水深が3cm程度みられても播種深度に問題がない。
- 播種後は4~7日間落水し、田面をかためる。その後有効茎が決定する6月上中旬頃から間断潅漑とし、中干しは田面に足跡がつかない程度まで強めに行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
安定栽培技術
経営管理
直播栽培
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播種
品種
水管理
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