タイトル |
栽培管理温度・果実条件が流通過程でのキュウリ果肉褐変症に及ぼす影響 |
担当機関 |
愛知農総試 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
大川浩司
大竹良知
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発行年度 |
2001 |
要約 |
冬季(低温期)、流通中のキュウリに見られる果肉褐変症状は、適期の100g前後の果重で収穫した場合、収穫前の天候が晴れでハウス内温度が高く経過した場合に、発生が助長される。また、栽培管理温度を慣行より低くした場合に、発生が軽減される。
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キーワード |
キュウリ、流通、果肉褐変症状、栽培管理温度、果実条件
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背景・ねらい |
冬季(低温期)、流通中のキュウリ果実に見られる果肉褐変症状は、収穫した果実を10℃前後に一定期間遭遇させると発生することが報告(中西ら、1997)されているが、栽培条件との関連は明らかではない。そこで、種々の条件で栽培した果実を収穫後10℃に一定期間遭遇させ、果肉褐変症状の発生を助長及び軽減する要因を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 本試験は、穂木‘はるか’、台木‘ゆうゆう一輝(黒)’を用いて行った。
- 果重別の果肉褐変程度は、収穫適期である100g前後の果実が最も高く、50g以下の幼果及び200g以上の大果では低い。特に、250g以上の果実では10℃に8日間遭遇させても果肉褐変は見られない(図1)。
- 収穫前に晴れの天候が続き、ハウス内温度が高く経過した場合は、雨(雪)天や曇天が続き、ハウス内温度が低く経過した場合よりも、収穫果実の果肉褐変程度は高い(表1)。
- 栽培管理温度を慣行より低くした場合、収穫果実の果肉褐変程度は低くなる。特に、管理最低温度を慣行(13℃)より低くした場合(8℃)にその傾向は顕著である(図2)。
- 開花後日数(開花から収穫までの日数)と果肉褐変程度の関係をみると、開花後日数の短い(15日間)果実が長い(23日間)果実よりも収穫果実の果肉褐変程度は高い(図3)。
- 以上の結果、ハウス内温度を高くするような果実肥大が促進される条件で栽培した場合は、収穫果実が10℃に遭遇した時に果肉褐変症状が発生しやすい。また、冬季の寒さにより栽培ハウス内が低温で経過したことが、果実に直接影響して果肉褐変症状を発生(助長)させているわけではない。
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成果の活用面・留意点 |
- 冬季、果実の肥大が良好な場合は、収穫後果実を10℃に連続遭遇させないように流通時の温度管理に留意すること。
- 最低管理温度は低い方が果肉褐変症状の発生が抑えられることが示されたが、収量・品質の両面から冬季の管理温度の再検討が望まれる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
温度管理
きゅうり
栽培技術
栽培条件
台木
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