タイトル |
改変Bt遺伝子の導入による鱗翅目害虫抵抗性イネの作出 |
担当機関 |
千葉農総研 |
研究期間 |
1993~2001 |
研究担当者 |
丸諭
児島正敏
小原麻里
深見正信
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発行年度 |
2001 |
要約 |
2種類の改変を施したBt遺伝子を導入した‘ふさおとめ’および‘コシヒカリ’の耐虫性は、全面改変の場合は高く、部分改変の場合には低い。またこれらのイネからはBtタンパクが検出できることから、この遺伝子には鱗翅目害虫に対する高い殺虫活性が期待できる。
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キーワード |
遺伝子組換え、鱗翅目害虫抵抗性、Bt 遺伝子、イネ
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背景・ねらい |
農薬を減らした環境にやさしい稲作りを行なうために、耐病虫性品種の育成が望まれている。そこで、植物での発現を高めるよう改変した2種類のBt遺伝子(Cry1Acの全面改変および部分改変)をイネに導入し、組換え個体を作出する。また、これらの遺伝子の効果を生物検定で確認する。
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成果の内容・特徴 |
- Btタンパクをコードする塩基配列全体を改変(1845塩基)した‘全面改変遺伝子’を導入した20系統中16系統(8割)では、生葉摂食4日後のイチモンジセセリの生存率は0%で、非形質転換体(cont.、93%)と比べて高い殺虫活性を示す。これに対し、残りの4系統は7~73%で殺虫活性が低い(図1)。
- 一方、2ヵ所の領域において塩基配列を改変(13塩基)した‘部分改変遺伝子’を導入した6系統では、生葉摂食4日後のイチモンジセセリの生存率が33~100%で、全面改変遺伝子導入系統に比べて殺虫活性は全体的に低い(図2)。
- イチモンジセセリの生存率が0%であった系統でも、Bt剤耐性が約50倍高いスジキリヨトウを生物検定に用いた場合には、生存率に0~14%の差がみられ、Btタンパクの発現量には系統間差があると思われる(図3)。
- 生葉を用いたウエスタン法による分析によって、Btタンパクの期待される位置にバンドが検出されることから、殺虫活性はBtタンパクに由来することが確認できる(図4)。
- 以上から、作製したBt遺伝子(Cry1Ac全面改変)をイネに導入することで、鱗翅目害虫に高い殺虫活性を付与することが可能である。また作出された‘ふさおとめ’および‘コシヒカリ’の鱗翅目害虫抵抗性系統は育種素材として活用できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 選抜された耐虫性系統を実際の育種に活用していくためには、科学技術庁、農林水産省、厚生省の定めた安全性試験を実施しなければならない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
育種
害虫
抵抗性
農薬
品種
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