タイトル |
温室メロン生産に必要な積算日射量 |
担当機関 |
静岡農試 |
研究期間 |
1998~2000 |
研究担当者 |
大須賀隆司
忠内雄次
天野高士
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発行年度 |
2001 |
要約 |
高品質の温室メロンを生産するには、定植から収穫までの温室内積算日射量は350MJ/m2以上が必要であり、東西棟のフェンロー型温室は、寡日照となる秋冬期においてもほぼこの条件をみたしている。
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キーワード |
積算日射量、高品質、温室メロン、フェンロー型温室
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背景・ねらい |
従来のスリークォータ型温室に比較し、建設費が安く大規模化が可能なフェンロー型温室での高品質メロン生産が期待されている。フェンロー型温室は秋から冬にかけての光透過率が低く、スリークォータ型温室よりも光条件が劣る。そこで、高品質生産を行うのに適した温室構造を明らかにするため、積算日射量とメロンの果重・品質の関係を解析する。
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成果の内容・特徴 |
- 栽培期間中の温室内の積算日射量が少なくなるほど、果重と外観評価(出荷階級)は低下し、果形は縦長から球形あるいは偏平となり、ネットは密度が粗く、盛りが劣り、商品性が低下する(データ略)。
- 定植から収穫までの温室内の積算日射量が320~814MJ/m2の範囲においては、積算日射量が減少するに伴い果重、茎葉の乾物重は低下し(図1、3)、400MJ/m2以下では糖度と外観が急落する(図2、4)。
- 温室メロンの高品質生産の目安となる果重1,100g、外観評価5.0、Brix13.5%を満たすには、定植から収穫までに350MJ/m2以上の積算日射量が必要である。
- フェンロー型温室(東西棟)における定植から収穫までの積算日射量を1997~2001年の屋外の日射量データと透過率から推定した結果によれば、いずれの定植日でも高品質メロン生産に必要な350MJ/m2以上の積算日射量が得られる(図5)。
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成果の活用面・留意点 |
- 温室メロン栽培に必要な積算日射量の最低水準である350MJ/m2を確保するには、冬期に60%以上の光透過率が確保できる温室構造とする。
- 温室メロン栽培用のフェンロー型の大規模連棟温室を建築する場合、東西棟が望ましい。ただし、3~4月と9~10月には光線ムラが生じるので注意する。
- 南北棟のフェンロー型温室では、秋から冬の栽培期間の積算日射量が350MJ/m2以下となるため、冬期に収穫する高品質の温室メロン栽培は困難である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
栽培技術
出荷調整
大規模化
光条件
メロン
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