イチゴの高設ベンチでメロン栽培を可能にする誘引技術

タイトル イチゴの高設ベンチでメロン栽培を可能にする誘引技術
担当機関 愛知農総試
研究期間 1998~2000
研究担当者 河合 仁
菅沼健二
樋江井清隆
発行年度 2001
要約 イチゴの高設ベンチ上でメロン植物体を懸垂誘引することにより、高さ制限のある施設内でもアールス系メロンの栽培が可能となる。懸垂誘引では、生育・作業上の理由から、ベッド上30cmで茎を下向きに折り曲げる方式が最適である。イチゴとメロンを組み合わせることにより、高設ベンチの利用率は向上する。
キーワード イチゴ、高設ベンチ、懸垂誘引、アールス系メロン、利用率
背景・ねらい 高設ベンチ方式によるイチゴ栽培が急速に普及している。しかし、イチゴの端境期(6~8月)には、これら施設・装置の多くは十分利用されていない。そこで、観光農園を含めてイチゴ施設の高度利用を図るため、既存のイチゴ用高設ベンチを用い、高さに制約のある施設内でもメロン栽培を可能にする誘引技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. メロンは株間40cmで単条植えとし、5月中旬定植により8月上旬収穫が可能となる。
  2. 培養液の組成は園試処方に準じ、ECは1.6dS/mを目標に管理する。ただし、受粉30日後からはEC値を徐々に下げて、収穫前の7日間は原水のみを与える。
  3. 果実生産に必要な葉数約20枚を確保するため、メロン植物体をベンチから吊り下げて懸垂誘引する(図1)。生育を揃えるために生育初期には直立誘引とし、草丈80cmに達したとき、誘引用パイプへもたれるように株を倒して懸垂誘引へ移行する。
  4. 誘引用パイプの高さは、第12~14節に着果させて第24節で摘心する仕立法では、天葉の損傷、果実の日焼けおよび玉吊りの作業性から判断してベッド上30cmが最適である(表1)。
  5. 懸垂誘引では、慣行の直立誘引に比べて茎径が細く、葉身長が短く、茎葉新鮮重がやや軽いコンパクトな草姿となるが、生育の遅延は認められない。果実は直立誘引に比べてやや小さいが、糖度の低下は認められず、密で細かいネットが形成される(表2、図2)。
  6. 8月上旬穫りでは、果実重1.5~1.8kg(2L階級)、Brix14~15%の良質な果実が安定して得られる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 高設ベンチの利用率が向上し、イチゴ農家の経営安定に貢献する。
  2. 茎の折り曲げによる折損を回避するため、誘引用パイプには丸みのある資材を用いる。
図表1 216624-1.gif
図表2 216624-2.jpg
図表3 216624-3.gif
図表4 216624-4.gif
図表5 216624-5.gif
カテゴリ いちご 経営管理 栽培技術 受粉 メロン

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