タイトル |
鉢花マーガレットの開花調節 |
担当機関 |
埼玉農総研 |
研究期間 |
1996~1998 |
研究担当者 |
富田廣
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発行年度 |
2001 |
要約 |
鉢花マーガレットは「イエロー」を除く各品種とも一定以下の温度・短日条件により開花が促進される。促成栽培をするときは、11月上、中旬以降から加温し、最低夜温は品種、目標とする出荷期により決定する。
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背景・ねらい |
近年鉢花マーガレットの栽培が増えており、品種も多様になってきている。また生産者からは出荷期前進の要望が強いので、生育・開花特性を調べ、促成栽培技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 生育・開花に及ぼす温度と日長の影響(表1)
開花に及ぼす影響は次の通りである。 「在来白」は15℃・短日条件で着花枝率が100%であるが、開花期はやや遅れる。 「わい性白」(品種不詳であるが、鉢花として流通している)は20℃・短日条件で開花が最も促進される。15℃では日長の影響は小さく、短日、長日条件とも開花株率、開花枝率が高い 「シュガーボタン」は15℃・短日条件で開花が最も促進される。20℃では短日・長日条件とも開花しない。 「ピンクファッション」は15℃・短日条件で開花し、15℃・長日条件では開花しない。20℃では短日・長日条件とも開花しない。 「イエロー」(品種不詳、タキイ種苗から購入)は20℃・長日条件で最も開花が促進される。 生育には日長が影響を及ぼし、いずれの品種でも長日条件で花茎長の伸長が促進する。温度の影響は小さい。 - 花芽分化期
花芽分化期は「在来白」、「わい性白」、は11月上旬、「ピンクファッション」は11月下旬である(データ略)。 - 促成栽培のための加温開始時期
花茎の伸長、開花にとって低温遭遇の必要なく、花芽分化が完了すれば加温が可能である。「在来白」は11月中旬、「わい性白」は11月上旬からの加温が適切である。「ピンクファッション」は12月上旬以降の加温で開花するが、開花株率は低い(表2)。 - 促成栽培での夜温と日長
いずれの品種も長日条件では花茎が徒長するので長日条件は不適である。 「在来白」は17℃~11℃では開花期に大きな差がないので、出荷時期により11℃以下の夜温で栽培する。「わい性白」、「ピンクファッション」は夜温を高めるほど開花が早まるので、出荷時期により夜温を決定する(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 「ピンクファッション」は枝数が少なく、また徒長しやすい。「イエロー」は暑さに弱い。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
栽培技術
出荷調整
品種
ぼたん
マーガレット
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