GPSを搭載した携帯可能な土壌調査支援システム

タイトル GPSを搭載した携帯可能な土壌調査支援システム
担当機関 三重科技
研究期間 1996~2000
研究担当者 安田典夫
発行年度 2001
要約 本システムは簡易型DGPSを搭載した携帯可能な土壌調査支援システムであり、任意の地域と縮尺の土壌図を表示できる。また、土壌図または地形図表示画面上で定点調査の土壌断面や土壌理化学性データ等の検索や新たな調査地点の位置登録機能をもつ。
キーワード GPS、GIS、土壌図、土壌調査、定点調査
背景・ねらい これまで、全国的に農耕地土壌図が作成され、その後土壌図のデジタル化が完了している。さらに、土壌環境基礎調査の定点調査における土壌情報データベースが整備されてきている。このため、これらの土壌図や土壌調査データを現場で簡易に利用できるシステムの開発が望まれている。一方、土壌の経時的な変化を正確に把握するうえでは、定点観測のように同一地点を繰り返し調査することが望ましく、このためにはGPSを利用した正確な位置情報の取得が必要である。
そこで、GPSを搭載した携帯可能な土壌調査支援システムを開発し、現場で土壌図や調査データの検索を可能にし、土壌調査精度の向上を図る。
成果の内容・特徴
  1. ハードウェアには軽量なノート型パソコンを用いた、圃場内でも運用できるようにした(図1)。簡易型DGPSはデファレンシャル方式を採用し,衛星電波受信機、同アンテナ、位置補正用FM放送多重用アンテナで構成される。ソフトウェアはVisual-C言語で作成し、Windows95および98上で動作する。
  2. 土壌図はラスターデータ形式で保存された1/50,000土壌図データファイルの中から三重県に相当する部分をパソコン用に切り出した。背景図は国土地理院の1/50,000地形図をスキャナで入力した(図2)。
  3. システムでは、任意の地域と縮尺の基本土壌図および応用土壌図を表示でき、さらに土壌図または地形図表示画面上で定点調査の土壌断面や土壌理化学性データ等の検索機能をもつ(図3)。応用土壌図の種類は有効土層の深さ、土性、礫層の有無、リン酸固定力、乾田・湿田区分(水田)、排水の良否(水田)である。さらに、緯度・経度測定による位置登録ができる。
  4. 簡易型DGPSによる位置決定精度について、定点調査地点16カ所における1月と12月の2回の緯度・経度測定値の秒差から距離差を求めたところ、中山間地では経度(東西方向)で平坦地に比べてやや距離差がみられたが、全体として誤差は目標値とした10m以内の精度であった(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本システムは農業改良普及センター、JA、市町村等の農業指導機関で利用でき、運用に当たってはGIS専用のアプリケーションを必要としない。
  2. 乾田・湿田区分や排水良否図は水田転作の作付け計画や作物導入の参考資料として活用できる。
  3. GPSは位置精度向上のためDGPS(デファレンシャル型)を採用したが、最近では衛星電波が解放されているためシングル方式による運用も可能である。
図表1 216678-1.jpg
図表2 216678-2.gif
図表3 216678-3.gif
図表4 216678-4.gif
カテゴリ GPS 水田 中山間地域 データベース 土壌環境

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