前作うねを連続利用した春ブロッコリーの不耕起栽培法

タイトル 前作うねを連続利用した春ブロッコリーの不耕起栽培法
担当機関 石川農研
研究期間 1997~2001
研究担当者 稲葉清弘
宮川修
工藤麻希子(現小松農林)
国立卓生
平井英行
発行年度 2001
要約 後作の肥料分を前作の基肥施用時に肥効調節型肥料で施肥したうねを連続利用する春ブロッコリーの機械移植不耕起栽培法を確立した。本法により、春作業の安定・省力化が図れ、慣行栽培並の収量が得られる。移植時に株元局所施肥することで、生育が早まり増収する。
キーワード 前作うね利用、2作1回施肥、不耕起栽培法、機械移植、局所施肥
背景・ねらい 石川県における水田輪換畑の春ブロッコリー栽培では、3月中旬から4月上旬に降雨が多いため、耕起・うね立てを計画的に実施することができない。また、水稲の育苗や圃場耕起などの春作業と重なることから省力的なうね立て技術の確立が望まれている。
そこで、前作の秋レタス栽培跡地をマルチを除去せずにそのまま越年させ、春ブロッコリーの移植床として連続利用する不耕起栽培法について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 後作の春ブロッコリーの基肥分を秋レタスの基肥施用時に肥効調節型肥料で条施用する2作1回施肥により、前作うねを移植床として連続利用でき、うね立て作業が省かれ計画的な定植作業が可能となる。後作のブロッコリーも慣行栽培並の収量が得られる(表1)。
  2. 秋レタスのうね立て前にうね中央部(幅約20~30cm)に肥効調節型肥料を表層施肥してうね立てする条施肥法では、全面全層施肥法に比べ、後作の春ブロッコリーの施肥窒素利用率が高い(表1)。
  3. 後作の春ブロッコリーは、半自動移植機を用いて不耕起移植できる(表2)。前作のレタスは越冬後完全に腐敗し、移植作業の妨げにはならない。
  4. 後作の春ブロッコリーは移植と同時に株元に施肥できるアタッチメントを移植機に装着して、肥効調節型肥料を窒素成分で0.3g程度を株元局所施肥すると、初期生育が向上し増収する(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 水田転換畑では土壌中の腐植、石灰が不足している場合が多いので、基肥施用時には土壌診断を行い施肥量を決定する。
  2. 前作の品目が変わると肥効調節型肥料の種類や収穫残渣処理などの問題がある。
  3. 不耕起移植後の活着促進を図るために不織布で約1カ月間被覆する。
  4. 前作の植え穴から発生する春雑草は後作移植前に除草剤で処理する。
  5. 株元局所施肥できる半自動移植機は秋田農試が開発した試作機であり、市販されていない。

図表1 216720-1.gif
図表2 216720-2.gif
図表3 216720-3.gif
カテゴリ 肥料 病害虫 育苗 栽培技術 雑草 省力化 除草剤 水田 施肥 土壌診断 春作 不耕起栽培 ブロッコリー レタス

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