タイトル |
細粒グライ土輪換畑における籾殼浅層暗渠による排水改良と大豆生育改善 |
担当機関 |
石川農研 |
研究期間 |
2000~2004 |
研究担当者 |
畑中博英
北田敬宇
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発行年度 |
2001 |
要約 |
細粒グライ土輪換畑において、籾殻浅層暗渠が表面停滞水の早期排除効果を高め、畑地化を促進する。また、排水効果は少なくとも2年間持続し、大豆の苗立ち率および収量が向上する。
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キーワード |
籾殻浅層暗渠、排水改良、大豆、畑地土壌化指数、輪換畑、湿田、細粒グライ土
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背景・ねらい |
本県水田面積の50%以上が湿田・半湿田であり、その排水不良から大豆や大麦栽培において、苗立ちの不安定や初期生育の不良が問題となっている。そのため、水田輪作における大豆・大麦の本作化を図る上での大きな障害となっている。そこで、細粒グライ土水田において、簡易な排水対策として籾殻を利用した浅層暗渠を施工し、輪換畑初年目および2年目における排水改良効果と大豆の生育・収量に及ぼす影響を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 細粒グライ土壌(石川農研圃場;H12・H13、現地小松圃場;H12、現地鳥屋圃場;H13)において、籾殻浅層暗渠を、本暗渠(石川農研圃場;8m間隔、現地小松圃場;10m間隔、現地鳥屋圃場;7m間隔)と直交するように4m間隔で施工した。籾殻浅層暗渠は、幅4~8cm、深さ40cmの溝に、30cm程度まで籾殻を充填するものである。
- 圃場表面の排水は、籾殻浅層暗渠から本暗渠を通じて行なわれる。
- 圃場透水性(ベーシックインテクレート)は、施工後初年目、2年目とも籾殻浅層暗渠区で高く、排水効果は2年目においても持続する(表1)。
- 大豆播種前のロータリ耕の砕土率(20mm以下の土塊重量割合)は、対照区に比べ、籾殻浅層暗渠を施工した区で高い(図1)。
- 籾殻浅層暗渠施工による圃場表面の排水効果及び、大豆栽培後の畑地土壌化指数は高い(図2、表1)。
- 大豆(品種;エンレイ)の生育は、籾殻浅層暗渠区で苗立ち率が高く、1株あたりの棯実莢数・百粒重の増加により、暗渠施工初年目、2年目とも5%~10%の増収が見られ、圃場によっては大幅な増収が見られる(表2)。
- 以上より、輪換畑初年目の細粒グライ土壌において、籾殻浅層暗渠施工により、圃場表面の排水効果が高まり、土壌の畑地化が促進される。また、排水効果は少なくとも2年間は持続する。その結果、大豆の苗立ち率や収量の向上が認められる。
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成果の活用面・留意点 |
- 半湿田や排水不良畑における排水対策として適用可能である。
- 水田輪作体系(水稲-大豆)における、水稲作付け後の排水効果についても検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
大麦
水田
大豆
播種
品種
輪作
輪作体系
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