携帯電話を活用した農作業緊急情報通報装置

タイトル 携帯電話を活用した農作業緊急情報通報装置
担当機関 (独)農業技術研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2001~2003
研究担当者 小林恭
行本修
佐々木豊
発行年度 2001
要約 トラクタ等の乗用農機の転倒を傾斜センサと転倒判定回路により振動や衝撃の影響による誤作動を排除して確実に検出し、携帯電話で緊急事態の発生を音声メッセージで自動通報する装置。また、緊急通報ボタンを備え、オペレータは作業中の異常も通報することができる。
キーワード トラクタ、転倒事故、緊急通報、携帯電話
背景・ねらい 乗用型トラクタ等乗用農機の転落・転倒による死亡事故は年間100件を超え、減少傾向になく緊急な死亡事故防止対策が求められている。また、作業者の高齢化が進むなか、一人で作業を行うことが多く、運転中に身体の異常を来した場合に発見が遅れ生命を失う事例もある。そこで、携帯電話を活用してトラクタ等の転倒事故や作業者の身体の異常等をできるだけ早く自動通報する装置を開発する。
成果の内容・特徴 1.
本装置は、携帯電話を活用した農作業緊急情報通報装置で、転倒検出用傾斜センサ、転倒判定回路、緊急通報ボタン、自動通話装置から構成されトラクタ等の乗用農機に載せて使用する(図1、2)。
2.
車体の姿勢角度は、ロール(左右方向)、ピッチ(前後方向)用の2つの1軸傾斜センサで測定する。姿勢角度が「設定転倒角度」を超えた状態で「転倒判定時間」以上持続したときに転倒状態と判定し自動通話装置が作動する。振動や衝撃の大きい農業用車両の転倒状態を確実に判定するため、表1のトラクタ、コンバインの静的転倒角データ、作業中や道路走行時の車体姿勢角の実測値分布(図3)と作業機装着による重心位置の変化等を考慮して、「設定転倒角度」をロール、ピッチ共±45°に「転倒判定時間」を2秒とした結果、車体の振動や衝撃により誤作動することもなく転倒状態を検出することができる。
3.
作業者の身体等に異常が起きた場合は、手元に設置した緊急通報ボタンを押すことにより、自動通報装置が直接作動し、予め記録した音声メッセージが自動発信される。
4.
音声メッセージの自動発信は、携帯電話の電話帳に登録された通報先(最大6カ所)に行われ、通報先の電話が話し中や圏外などで通報できない場合は、次の通報先に発信し通話するまで繰り返される。また、車両では自動発信と同時にサイレンが鳴り、非常灯が点滅し周囲に緊急事態の発生を知らせる。
成果の活用面・留意点 1.
本機をベースに小型化したものを市販計画中である。
2.
音声メッセージは初期設定時に録音する必要がある。
3.
携帯電話の通話エリア外では使用できないので注意が必要である。
図表1 216788-1.gif
図表2 216788-2.gif
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