タイトル | GPSを利用した粒状物散布機の可変制御システム |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 | 2001~2004 |
研究担当者 |
柴田洋一 小林恭 大嶺政朗 帖佐直 |
発行年度 | 2001 |
要約 | GPSから得られる位置情報に基づき、種子、粒状肥料・農薬の散布量を、あらかじめ作成した散布マップに従い変化させる粒状物散布機の制御システムである。作業速度に連動した制御も可能である。 |
キーワード | GPS、粒状物散布機、可変散布、速度連動、精密農法 |
背景・ねらい | 水田の大区画化に伴い、地力の均一化が困難となり、生育・収量ムラ発生の要因となっている。また、直播の導入によって苗立ちムラが生じ、生育・収量ムラを助長する問題も生じている。生育、収量ムラを是正するためには、局所的に管理方法を変える必要がある。そこで、あらかじめ作成した散布マップに従って、粒状肥料・農薬、および種子を自動的に可変散布するシステムを開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 粒状物散布機は、ホッパ内の粒状資材(種子、粒状肥料・農薬など)を繰出しロールで排出し、空気搬送により散布管を介して散布するものである。繰出し量の調節は、繰出しロールを駆動するモータ(図1)の回転数制御による。散布幅は10mで、4つのモータで2.5mずつ独立制御される。モータの回転数制御は電圧比例方式による。 2. 可変散布を行うために、あらかじめ散布マップを作成し、制御装置に入力する。作業中はGPSから得られる位置情報、および作業機の走行速度から、適切なモータ回転数が算出され、これに応じた制御電圧が出力される(図2、図3)。 3. モータの制御電圧は作業機の走行速度に連動する(図3)。速度は、GPSからの位置情報から算出しているので、スリップの影響をうけない。 4. 散布マップはグリッド毎の散布量として表現され、専用のマップ編集ソフトを用いることにより散布マップを作成する。開発したソフトウエア(図4)では、初期設定時に、圃場の大きさ、グリッドサイズ、基本散布量を設定すれば、自動的にグリッドを刻み、基本散布量に従う均一散布マップを生成する。グリッド毎の散布量の増減はマウス操作により、視覚的に散布マップの編集が行われる。編集後は、散布機が利用できる形式でマップを保存する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本制御機構は、精密農法確立のための作業機械に利用される。 2. 位置認識から実際の散布位置までの資材の搬送遅れ補正は、初期設定で調節できる。 3. 圃場内の位置と散布マップ内の位置の整合は、散布機制御の座標変換に従う。 4. 散布マップに入力する具体的データは、別途検討する必要がある。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | 肥料 病害虫 GPS 水田 農薬 |