タイトル | 水エマルジョン燃料による排気ガスの窒素酸化物及び黒煙の低減効果 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 | 2002~2002 |
研究担当者 |
若松俊男 京都機械工具(株) |
発行年度 | 2002 |
要約 | 新開発の水エマルジョン燃料を農業機械用ディーゼルエンジン燃料として使用することにより、排気ガス中の粒状物質(黒煙など)と窒素酸化物(NOx)の大幅な低減を可能にした。 |
キーワード | 水エマルジョン燃料、ディーゼルエンジン、排気ガス、NOx、黒煙 |
背景・ねらい | ディーゼルエンジンの排出ガス規制強化に伴い、ディーゼルエンジンを搭載する農業機械の排気ガス浄化技術の早期確立が緊急の課題となっている。この規制に対して(株)パイコーポレーションが開発した水エマルジョン燃料技術をもとに、水と軽油の配合の割合を変化させて、小型トラクター用ディーゼルエンジンに適用し、出力を低下させることなく、NOx、黒煙などの環境汚染物質の低減化を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. 燃料に水を混合させることにより水エマルジョン燃料が生成される(図1)。この燃料は排気ガス中のNOxおよび黒煙の低減効果があり、エマルジョン燃料中の水の含有率がNOx、黒煙の低減効果に直接影響を及ぼす(図2)。特に、黒煙の低減効果が大きい(図3)。なお、NOx濃度の測定にはホリバ製直挿形NOx分析計(MEXA-120NOx)を使用し、黒煙の測定にはイヤサカ製ディーゼルスモークメータ(GSM-2)を使用した。 2. 軽油を燃料とした場合、負荷率が40%を超えると急激に黒煙の発生濃度が増加するが、水エマルジョン燃料の場合は80%程度の高負荷域でも黒煙発生濃度は極めて少量である(図3)。黒煙に関しては、全負荷領域において目視レベルで全く確認できないほど低減する。 3. エンジン負荷の増大に伴いNOxの発生濃度も増加するが、水エマルジョン燃料を使用した場合、軽油と比較して中低負荷領域でNOxは40~50%、高負荷領域では20~25%低減(図4)する。 4. 従来のエマルジョン燃料では問題になっていた水による錆や始動性の悪化の問題は、今回供試したW/Oタイプの燃料では問題にはならない。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 水エマルジョン燃料を供試するときには通常の状態では水の配合分だけの出力が低下する。これを避けるためには燃料噴射量限界の設定を、水と軽油の混合割合に応じて大きくする。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
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