タイトル |
コマツナを用いた堆肥品質評価のための簡易栽培装置 |
担当機関 |
(独)農業技術研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 |
2002~2004 |
研究担当者 |
山口武則
生雲晴久
山本直之
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発行年度 |
2002 |
要約 |
生産現場や普及指導機関等で、簡易に行えるコマツナの初期生育を指標にした堆肥の品質評価のための簡易栽培装置を開発し、これを利用した幼植物栽培試験の標準的な栽培方法を提示する。
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キーワード |
堆肥品質評価、簡易栽培装置、コマツナ、幼植物栽培試験、発芽率
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背景・ねらい |
家畜ふん・生ゴミ等の堆肥は必ずしも有効に利用されていない。それは堆肥の品質評価法の未確立が一因と考えられる。そこで、生産現場や普及指導機関等で堆肥の品質評価を簡易に行うことを目的に、コマツナの初期生育を指標にした品質評価のための簡易栽培装置を開発し、これを利用した幼植物栽培試験の標準的な栽培方法を提示する。
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成果の内容・特徴 |
- 簡易栽培装置
開発した装置は、灯光源、蛍光灯制御用ON/OFFタイマー、喚気用ファン、反射式前面シート、ステンレス水槽・円形網、水槽用ヒーター・循環ポンプで構成され、潅水操作以外は自動化されている(写真1)。
- 簡易栽培試験法
再現性を高めるため播種作業のシステム化を試み、コマツナ播種用水溶性発芽シート、市販培養土、発泡スチロール製ディスポーザブルポット(Dポット)を組み合わせた幼植物栽培試験法を提示する。
- コマツナ品種、コマツナ播種用水溶性発芽シート
品質評価に適した品種として「健美」、「グリーンフライト」、「友好菜」を用いて、アクリル系粘着剤が塗布された水溶性ろ紙上に16個のコマツナ種子を固定する(写真2)。
- 簡易栽培試験法の手順
堆肥区、化学肥料区、無肥料区を設けて簡易栽培装置(写真1)を用いて、図1の手順概要に従って約21日間の栽培を行い、下記に示したコマツナの発芽と栽培試験データを得る。
- 堆肥品質の評価例
- 発芽の評価(図2)
無肥料区、化学肥料区、堆肥A及び堆肥Bの発芽率は各100、100、94、88%である。
- コマツナ生長量評価(図2、写真3)堆肥A区は堆肥B区よりもコマツナの生長量が大である。
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成果の活用面・留意点 |
- 温度や光源強度・輝度分布等が安定するため変動の少ない試験データを得ることが出来る。
- 本幼植物栽培験法は生産現場や普及指導機関等において、堆肥の肥料効果や生育障害などの判定に利用できる。
- 登録を目的に堆肥を評価するには公定法に則って行う必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
肥料
こまつな
播種
評価法
品種
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