うどんこ病新レース抵抗性温室メロン新品種「試交01-2」

タイトル うどんこ病新レース抵抗性温室メロン新品種「試交01-2」
担当機関 愛知農総試
研究期間 1997~2003
研究担当者 菅原眞治
大薮哲也
矢部和則
発行年度 2002
要約 アールス系温室メロン品種で初めてうどんこ病の新しいレースに抵抗性を持ち、さらに、つる割病抵抗性、盛夏作でも黄化しにくい形質を持つ温室メロン新品種「試交01-2」を育成した。
キーワード うどんこ病新レース、つる割病、黄化、温室メロン、試交01-2
背景・ねらい うどんこ病の新しいレース(Sphaerotheca fuliginea レース2)により、抵抗性を有するアールス系温室メロンが罹病し、その被害が年々大きくなっている。そこで、このうどんこ病新レースに抵抗性を持ち、つる割病にも強く、盛夏作でも黄化しにくい、高品質な温室メロン新品種を育成する。
成果の内容・特徴 1.
育成経過
平成9年、うどんこ病抵抗性の来歴不詳系統の後代からうどんこ病新レース抵抗性を持つSPR2R-1を、同じく「クレスト春秋系」に日持ち性が良い当場育成 系統のO-3を交雑し、その後代から、日持ち性及びつる割病抵抗性を持つHIFR-1を育成した。両系統間のF(HIFR-1×SP2R-1、試交01-2)について、生育、果実特性、病害抵抗性及び現地適応性検定を行い、うどんこ病新レースに抵抗性で、つる割病にも強く、ネットの形状、果皮色、外観、糖度、果肉色及び肉質等の内容品質が優れていることが確認されたので、育成を完了した(図1)。
2.
形態・生態的特性
本品種は、「アールス雅夏系」に比べ、生育初期の草丈が高く、葉はやや大きい。茎径はやや細く、主茎と葉柄との角度は狭い。雌花の着生は優れる(表1)。
3.
果実特性
果重は、約1.6kgで、「アールス雅夏系」とほぼ等しく、果皮色は灰色である。ネットの密度は同程度であるが、太く、盛りが良い。黄色度は収穫直後、7日後の差がなく、日持ち性は良い。果肉硬度は、収穫7日後に可食適期に達する。糖度は、盛夏期の収穫でも14.8と高い(表2)。
4.
病害抵抗性
「アールス雅夏系」はうどんこ病新レースに対して、著しく罹病するが、「試交01-2」は葉の表面の一部にわずかに発病するだけで、実用上充分な抵抗性を示す。つる割病について、アールス雅夏系と同様、全く発病せず抵抗性を示す(表3)。
成果の活用面・留意点 1.
試交01-2は、初夏作から盛夏作の地床栽培、養液土耕栽培に適する。
2.
果実を充分に肥大させるため、交配完了後果実肥大初期及び横ネット発生期にかん水量を増やし、通路かん水を行い湿度をあげるなどの水分管理がポイントである。
3.
平成14年11月に登録出願し、平成15年から種子の供給を開始する。
図表1 216863-1.gif
図表2 216863-2.gif
図表3 216863-3.gif
図表4 216863-4.gif
カテゴリ うどんこ病 新品種 抵抗性 病害抵抗性 品種 メロン

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