タイトル | アールス系メロン養液土耕における省力的な灌水システムの導入効果 |
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担当機関 | 愛知農総試 |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
今川正弘 榊原正典 川嶋和子 浅見逸夫 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 養液土耕において圧力変換器付pFセンサと制御器を用いた即時制御潅水法を導入すると、天候に沿った自動潅水が可能となり、総潅水量は慣行栽培の70%に節水できる。潅水に要する累計時間は20%に減少し、経営主の労力が大幅に削減できるるため、面積拡大が可能となる。 |
キーワード | 点滴灌水、即時制御灌水法、圧力変換器付pFセンサ、省力化 |
背景・ねらい | 梅雨を経由する夏収穫作型メロン栽培では天候の変化が激しい上、水管理は繊細なので毎日の潅水量を頻繁に調節する必要がある。これに対応する潅水システムとして、土壌の水分状態を即時に関知できるpFセンサを用いた即時制御潅水法を開発したため、現地に導入して省力効果を確認する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 即時制御潅水法は当場で開発した圧力変換器付pFセンサと制御器を用いた点滴潅水である。メロンの設定pF値は定植から14日間1.6、受粉期まで2.0、果実肥大期2.4、収穫前2週間を2.6とし、潅水時間帯を8~16時、潅水時間を1回4分(株当たり200ml)、休止時間を1時間とする。 2. 即時制御潅水法では天候と生育段階に合った灌水が行われ、総灌水量は慣行栽培の70%に節水できる(図1)。果実は、糖度が高く外観は慣行と遜色ない(表1)。 3. 現地ほ場に導入し、温室1棟分の灌水に係る時間を調査したところ、即時制御潅水法では慣行の20%まで省力できる(図2)。同作型栽培全体における慣行栽培の灌水時間を試算すると、1日に4時間程度となり経営主の作業実態と合致する。即時制御灌水法を導入した場合の試算では、灌水時間が1時間以下に短縮できるため、経営主の労力が大幅に削減でき、面積拡大が期待できる(図3)。 4. 7月収穫メロン栽培では、慣行の散水潅水及びタイマー利用の点滴潅水では2日に1度以上の頻度で設定変更が必要だが、即時制御潅水では栽培期間中にpF設定を3回変更するほかは、機械の動作状況の確認だけでよい(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 制御器と即応型pFセンサはセットで定価25万円である。(農業土木研究室開発、特許申請中、当場との共同研究により民間会社が製造販売) 2. 即時制御潅水法では、1日当たりの潅水量が天候やステージによって大きく変動するため、液肥施用は灌水と別に行うことを前提とする。 3. 即時制御潅水法によるメロン及びトマトの養液土耕マニュアルについて現在作成中である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
図表6 | ![]() |
カテゴリ | 経営管理 栽培技術 受粉 省力化 トマト 水管理 メロン |