タイトル |
ブルーベリー新品種「おおつぶ星」の大量増殖技術 |
担当機関 |
群馬県園芸試験場 |
研究期間 |
2001~2003 |
研究担当者 |
櫛川 聡
工藤暢宏
木村康夫
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発行年度 |
2002 |
要約 |
「おおつぶ星」腋芽からの多芽体誘導及び多芽体増殖は改変MS培地にZeatinを5mg/l添加することでできる。挿し木可能なシュートは多芽体をZeatin無添加培地へ移植することで多数得られる。シュートは密閉下で鹿沼土とピートモス混合培土を充填したセルトレイへの挿し木で、発根と順化が同時にできる。
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キーワード |
ブルーベリー、組織培養、大量増殖
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背景・ねらい |
近年、一般消費者の健康志向が高まり、アントシアニンを多く含むブルーベリーの需要は著しく増加している。1998年に品種登録されたハイブッシュ系ブルーベリー「おおつぶ星」(登録番号6926号)について、早期の大量種苗増殖を可能にするために、組織培養による苗の急速大量増殖技術の確立を目的とする。
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成果の内容・特徴 |
- 多量要素をWP培地に置換した改変MS培地での腋芽培養における多芽体誘導は、Zeatin(5mg/l)のみ、または 2iPとZeatinの等量添加区が50%以上の多芽体形成率となり、2iP添加区の20.3%を大きく上まわり、Zeatin添加効果が高い(表1)。
- 多芽体増殖培地の芽数11以上の多芽体再形成率は、Zeatin(5mg/l)添加培地が最も高い。
- 多芽体からのシュート伸長はZeatin無添加培地へ置床後60日目において30mm以上のシュート数が1多芽体当たり5本以上となり、Zeatin無添加培地への移植がシュート伸長誘導に効果的である(表2)。
- ピートモス:鹿沼土の容積比3:1混合培土で288穴セルトレイに伸長した未発根の培養シュートを密閉条件下で挿し木すると、2週間で98.3%の高率で発根が誘導できる(図1)。
- 挿し木後2か月で発根と順化が同時に完了し、培養苗が得られる(図2)。
- 以上の方法により、ブルーベリー新品種「おおつぶ星」の大量増殖が可能であり、容易に培養苗が得られる(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 培養に供試する腋芽は圃場で採取する一年生枝の腋芽では雑菌による枯死が激しく、無菌植物体が得られにくいので温室育成株を利用する方がよい。
- 培養条件は20℃、16時間照明がよい。
- 上記の方法により、平成14年7月に培養苗(草丈15cm~30cm)約1万7本を県内生産者に配布した。
- 図2に示したブルーベリー大量増殖技術を特許出願中である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
挿し木
新品種
品種
ブルーベリー
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