タイトル | 砂丘畑春播きダイコンの被覆尿素肥料利用による減肥技術 |
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担当機関 | 富山農技セ |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
沢田耕一 小池潤 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 砂丘畑春播きダイコンの二重被覆栽培(ポリマルチ+小トンネル)において、被覆尿素30日タイプを施用することで、施肥窒素利用率が65%まで向上し、速効性肥料による慣行施肥の3割程度の減肥が可能となる。 |
キーワード | 砂丘畑、春播きダイコン、被覆尿素、施肥窒素利用率、減肥 |
背景・ねらい | 富山県氷見市の砂丘畑での露地野菜栽培は、施肥窒素量が過剰傾向にあり、硝酸性窒素による環境負荷が懸念される。春播きダイコン(播種時期3月下旬)の二重被覆栽培(ポリマルチ+小トンネル)では、追肥作業が行いにくいため、硫安主体の速効性肥料で基肥窒素15kg程度が施用されている。そこで、施肥窒素の利用率を明らかにするとともに、肥効調節型肥料を用いた施肥量削減を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 被覆尿素30日タイプは、播種後30日頃までに40%程度溶出する。窒素吸収量は、播種後30日頃までは低く、それ以降に急激に増大する(図1)。 2. 硫安(慣行化成の窒素形態)の施肥窒素利用率は27%であるのに対して、被覆尿素30日タイプは65%と高くなる(表1)。 3. 土壌溶液中の硝酸性窒素濃度は、4月中旬までは慣行区が極めて高く、施肥窒素が利用されずに溶脱するのに対し、被覆尿素30日タイプは、生育期間を通じて低い(図2)。 4. 被覆尿素は、施肥窒素利用率が向上するために、施肥窒素を10kg程度までに削減しても収量は低下せず、窒素吸収量も増加する。リン酸及びカリも5kg程度で十分である。また、品質面では、全糖含有率が低下せず、規格別収量もLを中心とした揃いが向上する(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 北陸西部地域(石川,富山)の砂丘畑の結果である。 2. リン酸及びカリは5kg程度で十分であり、速効性窒素を混用する必要はない。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 施肥 だいこん 播種 野菜栽培 |