タイトル | 水稲極早生、早生品種におけるアカヒゲホソミドリカスミカメの薬剤防除適期 |
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担当機関 | 新潟農総研 |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
石本万寿広 永瀬淳 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 水稲極早生、早生品種における斑点米発生防止のためのアカヒゲホソミドリカスミカメの薬剤防除適期は、出穂期10日後とその7~10日後である。 |
キーワード | アカヒゲホソミドリカスミカメ、防除適期、斑点米 |
背景・ねらい | 新潟県では近年、極早生、早生品種でアカヒゲホソミドリカスミカメによる斑点米被害が増加し、これまでのオオトゲシラホシカメムシに対応した薬剤防除では斑点米抑制効果が不十分と考えられる。 本種の斑点米形成能力、水田内の発生消長、斑点米発生実態などのこれまでの知見から、斑点米発生抑制のためにはイネの登熟中・後期の本種発生量を低く抑えることが重要で、特に水田内での増殖虫の発生量を抑えることが防除上のポイントと考えられる。斑点米発生が多い極早生、早生品種を対象に、具体的な防除適期を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. イネの登熟期における成虫、幼虫の発生時期は出穂期後日数に規定される(図1、図3)。防除時期を出穂期後日数として設定することにより、出穂期が異なる場合にも適用でき、年次間の防除効果の変動も少ない(図2)。 2. 1回目と2回目の間隔を10日程度とした登熟期の2回防除は、いずれも斑点米数抑制効果が認められるが、1回目の防除を出穂期~出穂期5日後頃とした場合、多発生条件では効果は不十分である(図2、試験3)。 3. 1回目を出穂期10日後頃、2回目を1回目の7~9日後頃とした場合、多発生条件でも高い斑点米数抑制効果がある(図2、試験3、4)。しかし、1回目と2回目の間隔が10日を超えると効果が不十分な場合がある。(図2、試験1、2) 4. 以上のことから、極早生、早生品種における防除適期は、1回目は出穂期10日後、2回目は1回目の7~10日後である。1回目は成虫および次世代の若齢幼虫を対象とし、2回目は1回目防除後の残存虫と新たにふ化した幼虫を対象とする(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 出穂期10日後以降は、幼虫数、割れ籾数が増加し、斑点米発生の危険性が高まるので、1回目の防除は遅れないようにする。 2. 2回目防除後も成虫侵入がある場合は、農薬の安全使用基準に留意し、追加防除を行う。 3. 薬剤感受性低下を抑えるため、同一薬剤の連用は避ける。 4. 薬剤は、畦畔も含めて水田全面に散布する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 水田 水稲 農薬 斑点米 品種 防除 薬剤 |