タイトル | 売れる野菜の商品開発手法 |
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担当機関 | 新潟県農業総合研究所 |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
星野康人 |
発行年度 | 2002 |
要約 | グループインタビューとアンケート調査から多様な消費者ニーズに応える商品コンセプトを開発し、そのコンセプトおよび試作品を会場テストやホームユーステストによって評価することで、野菜の商品開発を効果的に行うことができる。 |
キーワード | 野菜、消費者ニーズ、商品コンセプト、商品開発 |
背景・ねらい | 野菜の販売不振の背景には、定時安定供給という市場出荷の中で農産物という商品の規格化を進め過ぎてしまうあまり、おいしさ、新鮮さ、安全性、簡便さなどの多様化する消費者ニーズに必ずしも応えて来なかった供給側の問題が存在している。そこで、多様な消費ニーズにしっかりと応えられる商品コンセプトや商品づくりを効果的に行うための手法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. この商品開発手法は、(1)グループインタビューによる仮説的な消費者ニーズの把握、(2)アンケート調査による仮説ニーズの検証、(3)会場テストや家庭内でのホームユーステストによる商品コンセプトや試作品の評価、という手順で行う。 2. グループインタビューでは、「どんな○○が欲しいですか?」など直接的な質問をするのではなく、普段の購買状況や利用状況、不満や満足等、被験者が話しやすい日常的でかつ話の展開が容易な広めの話題提供を行う。その際に、対象とする野菜のサンプルを配り被験者に手に取る・食べるなどしてもらい、具体的なイメージを与えるとよい。 3. アンケート調査は、グループインタビューで得られた仮説ニーズ1つ1つを設問とし、評定尺度法による5段階評価によって回答してもらう。消費者の立場から得た仮説ニーズを用いることによって消費者が回答しやすく、調査漏れの少ないアンケートにすることができる。 4. 会場テストは、商品コンセプトについて聞く場合、できるだけわかりやすい言葉を用い写真やイラストをつけるとよい。また試作品を提示する場合は、商品の特徴が明確になるようにパッケージ、規格、内部品質に留意して用意する。 5. ホームユーステストは、2~3回分の試作サンプルを用意し、商品の傷みがないように梱包や保冷を行うとよい。また、食べ方や保存方法など利用方法を示した説明書を商品といっしょに同封する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 各調査を実施するにあたり、年代、職業の有無、対象商品の好き嫌い、購入頻度などを考慮して被験者を選定しなければならない。 2. 会場テストやホームユーステストにおいて外観評価及び食味評価の他に、パッケージデザインや表示内容など商品の付帯部分についても意見・要望を求めるとよい。 3. この手法は、野菜以外の農産物にも適用できる。 |
図表1 | |
カテゴリ | 出荷調整 良食味 |