タイトル | 稲、雑草の生育ステージ予測技術を活用した栽培管理支援システム |
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担当機関 | 福井農試 |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
酒井究 佐藤勉 井上健一 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 品種,移植・播種日、栽培面積、管理作業別の時間等の入力により、除草、穂肥、病害虫防除、収穫の予定時期とその作業時間が日単位で出力されるソフトで、多様な営農条件下においても作業競合のない適正な作業計画を簡単に組み立てられる。 |
キーワード | 栽培面積、作業競合、作業計画、水稲作、管理作業、収穫、労働時間 |
背景・ねらい | 水稲栽培では品種、栽培法、移植日・播種日の組み合わせにより管理作業や収穫の時期が大きく異なり、作業計画が不適切だと作業時期の集中により栽培管理が行き届かなくなる。そこで、移植、直播水稲、雑草の生育ステ-ジ予測技術を活用し、管理作業ならびに収穫の時期、時間を推定して、作業競合のない適正な作業計画の立案を支援するシステムを開発した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 本システムはExcel97のVBAで構築され、既発表の研究成果情報、普及に移す技術等の知見を活用している(表1)。 2. 作業時期の推定のためには、品種、栽培法、代かき日、移植日・播種日を一つの作付け体系として入力する必要がある(5つの体系まで入力可能)。 ・ 対象品種は移植栽培ではハナエチゼン、コシヒカリ、キヌヒカリ、日本晴であり、直播栽培はハナエチゼン、コシヒカリ、キヌヒカリである。 ・ 栽培法は移植栽培、湛水直播栽培、乾田直播栽培から選択できる。 ・ 代かき日、移植日・播種日の入力は4月20日~6月10日の範囲とする。 3. 対象とする管理作業は、除草、穂肥散布、穂イモチ防除、カメムシ防除、収穫である。除草時期は稲の葉令、雑草葉令の推定を基準にして計算され、その他の作業時期は水稲の生育ステ-ジ予測値を基準にして計算される(表2)。 4. 作業時間の推定のためには、1ha当たりの作業別労働時間、作業外労働時間 (圃場への移動時間等)、作付け体系ごとの栽培面積の入力が必要である。 5. 1~3の入力、計算手法に従い、代かき、播種・移植作業を含めた作業時期、作業内容が日単位で表示される。また、4の労働時間、栽培面積の入力により作業時間が作業時期、内容と併せて表示される(図1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 計画にあたっては、経営上の作目をすべて考慮する。品種、移植・播種時期等は、作業競合がない組み合わせとなるよう、システムの表示結果を確認しながら、入力、検討する。気温については平年値を用いる。 2. 作付け後に作業時期のズレを補正する場合は、予測実施日までは気温実測値を、それ以後は気温平年値を使用する。苗立ち期、苗立ち密度の実測値を入力すると、幼穂形成期、出穂期、成熟期の推定精度が向上し、作業時期の推定がより正確になる。出穂期の実測値を入力すると収穫期の推定精度が向上する。 3. 作業を行わない場合、作業時間が無視できる場合、作業時間の入力値を0とする。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 病害虫 カメムシ 乾田直播 経営管理 栽培技術 雑草 直播栽培 除草 水稲 播種 病害虫防除 品種 防除 |