銅・亜鉛無添加肉豚飼料へのフィタ−ゼ添加は発育と肉質を維持しつつ銅・亜鉛排泄量を低減する

タイトル 銅・亜鉛無添加肉豚飼料へのフィタ−ゼ添加は発育と肉質を維持しつつ銅・亜鉛排泄量を低減する
担当機関 愛知農総試
研究期間 2000~2002
研究担当者 加納正敏
榊原幹男
増田達明
平山鉄夫
発行年度 2002
要約 フィターゼを1000単位/kg添加した銅・亜鉛無添加飼料を肉豚に給与すると、慣行飼料を給与した場合と同等の発育・肉質を示しながら、肥育前期で銅90%亜鉛71%、肥育後期で銅60%亜鉛65%、それぞれ排泄量が減少する。また、500単位/kg添加した場合でも、発育及び肉質を維持しながら排泄量を低減できる。
キーワード 銅、亜鉛、フィターゼ、排泄量低減
背景・ねらい 豚ぷん堆肥は他の家畜より銅(Cu)・亜鉛(Zn)の含量が高く、堆肥利用上の制限要因となっている。これは市販飼料には要求量を上回る量のCu・Znが添加されていることが原因である。このため、飼料中Cu・Zn含量の低減及びCu・Zn利用性向上効果のあるフィターゼを利用することで、生産性を維持しつつCu・Zn排泄量を低減する。
成果の内容・特徴 1.
三元雑種肉用素豚(WLD)に市販飼料相当のCu及びZn含量の飼料(慣行区)と、Cuを無添加とし、Znは日本飼養標準の要求量を充足するだけ加えた飼料(要求量区)、Cu・Znとも無添加とし、亜鉛欠乏状態の飼料(無添加区)及び無添加区飼料にフィターゼを1000単位/kg添加した飼料(フィターゼ区)を給与した場合、一日平均増体重、飼料要求率は肥育前期(体重30~70kg)、後期(体重70kg~110kg)とも無添加区で劣る傾向にあるが、他の3区間に差はない。(図1)肉質では区間の差は無い。Znの肝臓及び骨中の含量が、フィターゼ区では慣行区と同等の数値となることから示されるように、フィターゼ添加によりZnの利用性が向上する。(図2)
2.
ふんへのCuとZnの排泄量は、肥育前期で慣行区に対してフィターゼ区が銅90%亜鉛71%、肥育後期では銅61%、亜鉛66%、それぞれ排泄量が低減する。(図3)
3.
コスト低減の観点からフィターゼの添加水準を500単位/kgにしても、亜鉛欠乏による発育への影響は認められない。Cu・Znの排泄量は1000単位/kg添加した場合より10%程度多くなる。(表1)
成果の活用面・留意点 1.
養豚用飼料の配合設計に利用し、環境負荷低減・豚ぷん堆肥成分改善に用いる。
2.
フィターゼ添加に応じてリン酸カルシウム添加量を低減する。1000単位/kg添加で約6.6g/kg(第3リン酸カルシウム利用時)、500単位/kg添加の場合には約4.6g/kg、添加量を低減する。
図表1 216939-1.gif
図表2 216939-2.gif
図表3 216939-3.gif
図表4 216939-4.gif
カテゴリ 環境負荷低減 低コスト

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