タイトル | 酒造好適米品種「ひたち錦」の高品質生産のための窒素施肥法 |
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担当機関 | 茨城県農業総合センター農業研究所 |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
河野愛子 寺沼直美 泉沢直 須賀立夫 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 酒造好適米「ひたち錦」の高品質生産のためには、基肥窒素量はコシヒカリの3割減とする。移植後60日目の草丈が63cm以下である場合には、出穂前20日に窒素成分で0.2kg/a追肥し、63cmを超える場合には追肥は行わない。 |
キーワード | 酒造好適米、施肥窒素、千粒重、心白発現率、白米粗タンパク質含有率 |
背景・ねらい | 酒造好適米は高水準の品質が求められる。平成13年度から奨励品種に採用した本県育成の酒造好適米「ひたち錦」の品質目標を千粒重25.5g以上、心白発現率80%以上、白米粗タンパク質含有率6.4%以下とし、目標達成のための窒素施肥法を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 心白発現率はm2当り籾数と負の相関があり、籾数が25,000粒以下となると、心白発現率80%以上となる。また同様に、白米粗タンパク質含有率とも正の相関があり、籾数が35,000粒以下となると、白米粗タンパク質含有率6.4%以下となる(図1)。 2. 籾数はm2当り穂数と高い正の相関があり、籾数を25,000粒以下にするためには、穂数を350本以下とする(図2)。 3. 籾数と「移植後60日目の草丈」には高い正の相関があり、籾数を25,000粒以下にするためには、「移植後60日目の草丈」を63cm以下とする(図3)。 4. 「移植後60日目の草丈」が目標値の63cm以下を満たす基肥窒素量は、コシヒカリ慣行施肥量の3割減の0.4kg/aである。基肥窒素0.4kg/a、出穂前20日(幼穂長2~5mm)の穂肥0.2kg/aにより、千粒重、心白発現率、白米粗タンパク質含有率の目標をほぼ達成する(図4、一部データ省略)。 5. 「移植後60日目の草丈」が63cm以上のときには、穂肥の施用は白米粗タンパク質含有率を高くするので追肥は行わない(データ省略)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 表層腐植質多湿黒ボク土における5月上旬移植での試験結果である。 2. 白米粗タンパク質含有率は精米歩留が約91%の時のものである。 3. 基肥窒素量0.4kg/a、穂肥0.2kg/aの収量は61.6~64.0kg/a(坪刈換算)である。 4. 「移植後60日目の草丈」の63cmは上限値とする。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 酒造好適米 施肥 品種 |