タイトル | 甘ガキ「陽豊」の高接ぎ更新における中間台木の影響 |
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担当機関 | 岐阜農技研 |
研究期間 | 1965~2001 |
研究担当者 |
尾関健 新川猛 西垣孝 松村博行 |
発行年度 | 2002 |
要約 | カキ「陽豊」を既存品種に高接ぎ更新する場合、「西村早生」及び「伊豆」を中間台木として利用すると、収量性・果実品質が良好であるが、「刀根早生」は収量性・果実品質が劣り不向きである。 |
キーワード | カキ、陽豊、中間台木、高接ぎ更新、西村早生 |
背景・ねらい | カキの品種更新を行う場合、苗木から育成するよりも高接ぎ更新を行った方が速やかな成園化が可能となる。しかし、中間台木の品種によって果実品質等に影響を与えていることは知られているが、それらを調査した例は少ない。 そこで、「西村早生」、「伊豆」、「刀根早生」及び実生台木(共台)に「陽豊」を高接ぎ更新する場合の収量及び果実品質に及ぼす影響について、接ぎ木後5~7年生の樹で検討した。なお、中間台木品種の台木はいずれも共台(渋ガキ実生)で高接ぎ時の樹齢3~30年生である。 |
成果の内容・特徴 | 1. 実生台木(共台:一般苗木と同様)に接いだ区を対照にすると、「西村早生」及び「伊豆」台は果重が大きく、樹容積あたりの収量も多い。一方、「刀根早生」台は果重も小さく樹容積あたりの収量も低い(表1)。 2. 着色は「西村早生」台が良好で、果頂部の果色がカラーチャート値6以上で収穫する場合、11月上旬には約70%の収穫が可能となる(表1、図1)。 3. 果実の形は、「西村早生」、「伊豆」及び「刀根早生」台とも共台よりやや甲高で、長径と短径の差は小さく、整った形となる(表2)。 4. 「陽豊」はヘタが浮いた形状が特徴で、全体的にヘタスキが多く発生するが、果実が大きくなる中間台木ほど多く発生する傾向にある(表3)。しかし、果実軟化につながるヘタスキは少ない。 5. 総合的に判断すると、「西村早生」及び「伊豆」に「陽豊」を高接ぎすると良好な果実が生産できる。しかし「刀根早生」は収量・品質等で劣り、中間台木としての利用は不向きである。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 接ぎ木部はクロフタモンマダラメイガに加害されることが多く、その防御対策が必要であるが、とくに「伊豆」は被害がでやすいので注意する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | かき カラー 台木 高接ぎ 接ぎ木 品種 フタモンマダラメイガ |