切り花用バラ新品種「ハイネス愛」

タイトル 切り花用バラ新品種「ハイネス愛」
担当機関 岐阜県農業技術研究所
研究期間 1997~2001
研究担当者 宇次原清尚
加藤克彦
発行年度 2002
要約 新しい切り花用バラ品種「ハイネス愛」を交雑育種により育成した。花色は浅緑黄、花形は剣弁高芯咲き、花弁数は比較的多く、花弁も厚くて硬いことから、日持ち性に優れ、比較的強い芳香を持つ。淡い黄色でありながら、高温期での退色は少ない。
キーワード 切り花用バラ、ハイネス愛、浅緑黄、日持ち性、芳香
背景・ねらい 切り花用のバラ品種は大部分が海外育成品種であり、岐阜県での栽培適応性等に不明な点が多い。また、産地間競争が激化する中、オリジナル品種の開発は喫緊の課題である。そこで、夏期の高温環境に適合し、優れた形質を有するバラ新品種を育成する。
成果の内容・特徴 1.
本品種は平成8年に「カリンカ」の選抜系統を母親、「クィーンエリザベス」の選抜系統を花粉親とする交配を行い、得られた実生個体から選抜・育成した。
2.
花形は剣弁高芯咲きで、切り花向きの品種である(表1)。
3.
花色は花弁表面が浅緑黄、裏側は淡緑黄、基部が明黄で、対照品種の「スカイライン」と「デュカット」よりも淡い花色となる(表1)。
4.
花色の移行性は少なく、黄色の淡色系でありながら、夏季高温による花色の褪色も少ない。また、高温期の花弁の減少、花の矮小化は比較的少ない。
5.
棘の着生程度は対照品種に比べて少なく、切り花の取り扱いが容易である(表1)。
6.
対照品種に比べて総切花本数は少なくなるが、50cm以上の切花本数についてはほぼ同じで、一般的な品種と同等の収量性を持つ(表2)。
7.
花弁数は対照2品種よりも多く45枚以上となり、開花速度が遅いため、日持ち性は良い(図2)。また、花弁が厚く硬いことから輸送・貯蔵による花傷みは少ない(表2)。
8.
病害虫抵抗性は中程度で一般的な品種と同等であるが、うどんこ病・黒星病に対してはやや強で、対照品種よりも耐病性がある(表1)。
成果の活用面・留意点 1.
本品種は黄色系よりもやや薄い色調となるため、アレンジ等に使い易く、従来の黄色品種よりも多くの活用場面が期待できる。
2.
夏期の高温時でも生育は良好であるが、品質の劣化を防ぐため、一般的な品種と同様に圃場の遮光等を行って気温低下に努める。
3.
樹勢があまり旺盛ではないので、種苗には接ぎ木苗を用いる方が良い。
4.
黒星病、うどんこ病に対して耐病性を持つことから、ガーデン用としての利用も可能である。
5.
本県の夢ローズ委員会が許諾を受け、全国販売を行う。
図表1 216949-1.gif
図表2 216949-2.gif
図表3 216949-3.gif
図表4 216949-4.gif
カテゴリ 育種 うどんこ病 害虫 黒星病 新品種 接ぎ木 抵抗性 ばら 品種 輸送

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