タイトル | カキ「平核無」のヘタ出し袋かけによる樹上脱渋の省力 |
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担当機関 | 群馬園試 |
研究期間 | 1999~2002 |
研究担当者 |
平井一幸 狩野正美 佐藤正義 北島薫 吉岡正明(農業技術課) |
発行年度 | 2002 |
要約 | カキ「平核無」のヘタを包まず出して、輪ゴムで袋を止める樹上脱渋法により、果実品質は変わらず、従来の方法に比べ脱渋のための袋かけ及び収穫作業時間ともに短縮され、処理時期が2週間程度拡大し、汚損果の発生も軽減される。 |
キーワード | カキ、平核無、樹上脱渋、ヘタ出し袋かけ、省力 |
背景・ねらい | カキ「平核無」の樹上脱渋果は品質が優れ、県内産地の特産品となっているが、脱渋のための袋かけ等に多くの労力を要していた。この対策として、輪ゴムを利用した省力的な処理法を開発したが、一層の普及推進を図るには、省力化と汚損果の軽減および処理時期の拡大が求められている。そこで、これらの対策としてヘタ出し袋かけによる効果について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. ポリ袋(No11)に脱渋用固形アルコールを1個入れ、あらかじめ輪ゴム(No16)を二重にセットして、ヘタを包まず出して袋をかける(図1)。 2. 袋かけ1~2日後にポリ袋の底を切って固形アルコールを取り除き、果実はそのまま樹上で成熟させる。従来は輪ゴムをセットしてヘタを含めて袋をかけ、2日後に袋の底を切り固形アルコールを取り除いた。 3. 処理期間は、袋かけ1日でも処理7日後には渋抜けが完了することから、1~2日間の処理とする(表2)。 4. 作業時間はヘタ出し袋かけを行うことにより、従来のヘタの部分まで袋かけする方法と比較して、袋かけ作業で40%程度、収穫作業で50%程度短縮される(表1)。 5. ヘタ出し袋かけでは、9月13日から9月20日(満開後115日~122日)の早期に行っても落果はほとんどみられず、汚損果も少なく果実品質も従来の方法と変わらない。樹上脱渋した果実で特徴的な果肉褐斑は、9月20日頃までに処理を行うと多く入る(表3)。 6. 従来のヘタも包んだ方法は、9月20日以前ではヘタ枯れによる落果が多く、9月27日から10月4日頃の8日間が適期であったが、この方法による処理時期は9月13日から汚損果の発生の少ない10月4日頃までの約3週間あり、従来の方法より2週間程度時期が拡がる(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 処理後に降雨がある場合、効果が低下したり汚損果の発生が多くなるので、処理後1~2日間の降雨がないと思われる日に処理を行う。 2. 処理時に果実と袋の間にすきまがあいていると渋果が発生することがあるので、ヘタと果実の間に袋がとまり、すきまがあかないように注意して袋掛けする(図1)。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | かき 省力化 |