晩生カンキツ「カラ」に適した高品質維持貯蔵法

タイトル 晩生カンキツ「カラ」に適した高品質維持貯蔵法
担当機関 三重科技セ
研究期間 1995~2002
研究担当者 須崎徳高
鈴木 賢
市ノ木山浩道
竹内雅己
発行年度 2002
要約 カンキツ「カラ」は二次肥大が始まる直前の糖度が最も高い時期に収穫し、低温貯蔵することで高糖度を維持しながら、出荷時期を1ヶ月程度遅らせることができる。貯蔵時の庫内温度は5~10℃に保つのがよい。
キーワード カンキツ、カラ、貯蔵
背景・ねらい 晩生カンキツ「カラ」は糖度が高く濃厚な食味が特徴であるが、二次肥大開始後の4月に収穫するため、浮き皮の発生や糖度の低下などの問題があり、特にクエン酸が高く収穫が遅れる園地ほど商品性が低下する危険性をもっている。
その課題解決の一方策として、早期に収穫し高品質を維持しながら、出荷調整できるための貯蔵条件について検討する。
成果の内容・特徴 1.
樹上における果実の糖度は二次肥大が始まる直前(3月中旬)にピークを迎え、以後漸減し、クエン酸も同時期を境に減少が活発になる(図1)。
2.
糖度が最高に達した果実の二次肥大が始まる直前に収穫し、低温貯蔵(5℃)することでその糖度を高く維持でき、クエン酸は収穫貯蔵の約60~80日後に1%~1.2%程度に減少し好食味となる(図2)。これによって出荷期を通常より1ヶ月程度遅らせることができる。
3.
「カラ」の貯蔵は、室温および15℃ではヘタ枯れが多くなるため、5℃及び10℃の低温高湿貯蔵が適している(表1)。
成果の活用面・留意点 1.
成熟期にクエン酸が高く収穫が遅くなると予想され、浮き皮の発生が心配される園地では、糖度ピーク時(3月中旬頃)の早期収穫・貯蔵による出荷調整に適用できる。ただし、収穫時のクエン酸が2.0%を大きく越える等、極端に高い場合は可食期に達するまで長い期間を要し、果実の減量が進むとともにヘタ枯れ、貯蔵臭の増加が懸念される。
2.
果実糖度がピークを迎える収穫期の目安は、果実の二次肥大が始まる頃で、発芽直前~始まる頃である。
3.
貯蔵は湿度調節のできる施設で行うのが良いが、その施設がない場合にはポリエチレンフィルム等で包装(完全密封しない)する。
4.
出庫後は気温の高い時期であることから、乾燥が進みヘタ枯れやコハン症の発生が多くなるので、低温高湿条件で流通、陳列するなど、コールドチェーン化が必要である。
図表1 216963-1.gif
図表2 216963-2.gif
図表3 216963-3.gif
カテゴリ 乾燥 出荷調整 良食味 その他のかんきつ

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