タイトル | 鉢物用マーガレット新品種「スターライトリップル」 |
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担当機関 | 静岡農試 |
研究期間 | 1997~2001 |
研究担当者 |
稲葉善太郎(静岡農試) 大塚寿夫 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 花らい組織培養切片に軟X線を照射する突然変異育種法により、鉢物向けマーガレット新品種「スターライトリップル」を育成した。本品種はわい性、早生で6月定植で10月から開花することから鉢物用として利用が可能である。 |
キーワード | マーガレット、新品種、突然変異育種、鉢物、わい性 |
背景・ねらい | 近年のガーデニングブーム等によりマーガレットの鉢物・花壇用途の需要は増加傾向にあるが、白花・一重咲きタイプの品種は少ない。切花用優良品種の‘在来白’は三倍体で交雑稔性が著しく低く、通常の交雑育種法は効率が悪い。そこで放射線照射と組織培養を用いて‘在来白’のわい性突然変異個体を育成し、生育・開花特性を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 育成経過 1999年に「在来白」の花らいを組織培養して形成途中の不定芽原基に300Gyの軟X線を照射後に伸長してきた不定芽を順化・鉢上げして22個体を得た。22個体は地床栽培してわい性、花径の小型化、花首の短縮した4個体を選抜した。2000年に4個体を親株とし、分枝ごとに採穂・挿し芽した計213個体を地床栽培し、鉢物用途に適した特性を有する3個体を選抜した。3個体は2001年から鉢物利用を目的とした生育・開花特性、突然変異形質の安定性の確認を行い、現地適応性試験で最も評価の高かった個体を選抜し、「スターライトリップル」と命名した(図1)。 2. 品種特性 1) ガラス室鉢物栽培において元品種の「在来白」や現主力品種「ホワイトリップル」と比較して6月下旬定植で1ヶ月以上早く開花する早生品種である(表1)。 2) 開花時草丈は、「在来白」、「ホワイトリップル」よりも5cm以上低く、株張りも数cm程度小さいわい性でコンパクトな草姿をしている。(表1、図2) 3) 総分枝数、着らい分枝数は「在来白」と同等で、最大花茎の葉数は約30枚と半数程度である(表1)。 4) 開花時に下葉の枯れ上りが少なく、開花後の下葉の黄化も目立たず、花形は「在来白」と同様であるので鑑賞価値が高い(表2、図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本品種は種苗法による品種登録出願中であり、栽培には静岡県との許諾契約が必要である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | 育種 栽培技術 新品種 品種 マーガレット |