肥効調節型肥料を用いた鉢上げ時施肥によるセルリーの施肥窒素量50%削減

タイトル 肥効調節型肥料を用いた鉢上げ時施肥によるセルリーの施肥窒素量50%削減
担当機関 静岡農試
研究期間 2000~2001
研究担当者 小杉徹
高橋和彦
鈴木則夫
発行年度 2002
要約 セルリー育苗の鉢上げ時に、生育に必要な肥料成分全量を肥効調節型肥料で育苗培土に混合する鉢上げ時施肥法は、施肥後の育苗期間を15日前後とすることにより、慣行施肥と同等の収量が得られ、施肥窒素量を最大50%削減できる。
キーワード セルリー、肥効調節型肥料、育苗、施肥量削減、鉢上げ時施肥
背景・ねらい セルリー栽培は、育苗を含めた栽培期間が長く、施肥作業は煩雑かつ施肥量が多い。肥効率を高めて減肥を達成するためには、局所施肥法や肥効調節型肥料を用いた施肥が有効である。そこで、肥効調節型肥料を用いて、育苗時に本圃での生育に必要な全量を施用する鉢上げ時施肥法と、育苗期に半量を施用し、半量を定植時に条施肥する鉢上げ時施肥・条施肥併用法を検討する。
成果の内容・特徴 1.
鉢上げ時施肥法は、鉢上げ(2回目移植)時にポット(直径10cm、容量400cc)へ初期の溶出が抑制される肥効調節型肥料(被覆燐硝安加里、100日シグモイドタイプ)を施用し、以後は肥料を施用しない(図1)。また、鉢上げ時施肥・条施肥併用法は、半量を鉢上げ時に施肥し、半量を定植時に条施肥する(図2)。
2.
育苗終了時(鉢上げ時施肥後16日)での苗質は、草丈が伸び葉色が濃くなるものの、慣行とほぼ同等である。鉢上げ時施肥により、培土中の電気伝導率が高まり、鉢内への肥料の溶出が認められるが、培土内の電気伝導率が1.5mS/cm 程度ならば濃度障害は発生しない(表1)。育苗期間を4週間とすると、培土内の電気伝導率が3mS/cm 以上となり、濃度障害が発生する(データ略)。
3.
本圃における収量は、洪積土(造成台地土細粒赤色土相)、沖積土(細粒灰色低地土相)ともに慣行施肥と同等であり、慣行施肥と比べて鉢上げ時施肥60kgで25%、鉢上げ時施肥40kg及び鉢上げ時施肥・条施肥併用法で50%の施肥窒素量の削減が可能となる。(表2)。
成果の活用面・留意点 1.
育苗期間を15日前後とする。鉢上げ時の育苗期間を通常の4週間にすると、窒素溶出による濃度障害が発生するおそれがある。
2.
本栽培は、6月下旬は種、8月下旬鉢上げ、定植9月中旬である。本圃栽培はガラス温室で白黒マルチを敷いて行っている。
3
期間中の鉢内の平均地温は26℃、最高地温は38℃、最低地温は20℃である。鉢上げ時施肥を行うことによって、本圃への施肥労力節減が可能となるが、育苗期間中の鉢内の地温が上記の温度より高い場合は、鉢内の窒素溶出が少ない鉢上げ時施肥・条施肥併用法の利用が望ましい。
図表1 216978-1.gif
図表2 216978-2.gif
図表3 216978-3.gif
図表4 216978-4.gif
カテゴリ 肥料 育苗 栽培技術 施肥 セルリー

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