タイトル | 酒造好適米品種「総の舞」の高品質栽培法 |
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担当機関 | 千葉農総研 |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
太田和也 小山 豊 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 酒造好適米品種「総の舞」の栽培において、心白発現率が高く、粗タンパク含有率が低い高品質米を生産するには千粒重を25.5~26.0gとすることが必要で、平方メートル当たり籾数は25,000~28,000粒が適正である。壌質土水田でこの籾数を確保するためには、基肥窒素を2~3kg/10aとし、出穂前18日に穂肥として窒素2kg/10aを施用する。 |
キーワード | 酒造好適米、総の舞、品質、心白、粗タンパク含有率、千粒重、籾数 |
背景・ねらい | 高度精白が可能で、吟醸酒の仕込みに用いることができる高い品質を持つ酒造好適米品種「総の舞」が育成され、奨励品種に採用された。ここでは、品種の特性を活かして高い心白発現率と低い粗タンパク含有率を実現するための好適な生育相を明らかにし、それを実現するための栽培法を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 品種特性である25.5~26.0gの千粒重を得ることが、心白発現率を高くするとともに、玄米中粗タンパク含有率を低くするために重要である。移植が5月に入ってからの遅い時期になると、倒伏程度が大きく、千粒重が小さくなりやすいので、移植は4月下旬までに行なう(図1、図2)。 2. 籾数は平方メートル当たり25,000~28,000粒とすると、目標とする25.5~26.0gの千粒重が得られる(図3)。 3. 平方メートル当たり籾数を25,000~28,000粒とするために必要な穂数は350~400本であり、そのために必要な幼穂形成期の茎数は400~500本である(表1)。これらの目標とする生育を達成するためには、壌質土の場合、基肥窒素を2~3kg/10a施用する。 4. 穂肥を早く施用すると千粒重が小さくなり、施用量が多いと玄米中粗タンパク含有率が高くなる。したがって、穂肥は出穂前18日(幼穂長1cm)に窒素成分で2kg/10aを施用することが適当である(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本成果は、温暖地の早期栽培地帯に適用する。 2. 移植時期が遅いと収穫時期が「コシヒカリ」に近くなり収穫作業が競合するので、適期に移植する。 3. 砂質土における基肥窒素施用量は5kg/10a程度とし、粘質土では2kg/10a程度とする。 4. 収穫適期は帯緑色籾歩合が15%となる出穂約38日後である。収穫が遅れると、精米時の砕米率や浸漬時の胴割れ率が著しく高くなる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | 酒造好適米 水田 品種 |