土壌溶液診断によるカーネーションの窒素施肥管理

タイトル 土壌溶液診断によるカーネーションの窒素施肥管理
担当機関 千葉農総研
研究期間 1997~2000
研究担当者 浅野清一郎
発行年度 2002
要約 ポーラスカップを用いて採取した土壌溶液の分析により、カーネーション栽培期間中の土壌溶液診断が可能である。良好な生育を確保するための土壌溶液中硝酸イオン濃度の基準値は1,000mg/Lである。
キーワード カーネーション、土壌溶液、窒素、硝酸イオン、肥培管理
背景・ねらい 栽培期間が長く、施肥量も多いカーネーションでは、定植前の土壌診断だけでは、変動の激しい栽培期間中の土壌中窒素含量の動態を把握しきれない。常に適正な窒素含量を保つためには、栽培期間を通じて診断に基づいた施肥を行うことが必要である。そこで、簡便で即座に分析可能な土壌溶液診断について検討し、良好な生育を確保するための硝酸イオン濃度の診断基準値を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
ポーラスカップを用いて土壌溶液を採取し、硝酸イオン濃度を測定することにより、カーネーション栽培における窒素のリアルタイム土壌溶液診断が可能である。施肥は1週間に1回、窒素100mg/Lの液肥施用を基本にし、土壌溶液の硝酸イオン濃度が目標値より低い場合は液肥の窒素濃度を200~400mg/Lに上げ、高い場合は液肥を施用しない(図1)。
2.
土壌溶液の硝酸イオン濃度の違いがカーネーションの生育に及ぼす影響は、一次摘心側枝花にはあまり現れず、二次摘心側枝花、二番花に現れる。採花本数は、硝酸イオン濃度1,000mg/Lでほぼ最高となる(図2)。採花枝の性状は二次摘心側枝花および二番花では硝酸イオン濃度の上昇に伴い切花長が長く、生体重が重く、花蕾数が多くなるが、500mg/Lと2,000mg/Lの間ではそれらの差は小さい(表1)。総採花枝重は、栽培期間中の土壌溶液の硝酸イオン濃度の平均が1,000mg/L~2,000mg/Lで最高になる(図3)。
3.
以上の結果から、カーネーションにおける土壌溶液の硝酸イオン濃度は1,000mg/Lで良好な生育を確保できるので、過剰施肥を避けるため1,000mg/Lを目標に管理する。
成果の活用面・留意点 1.
土壌溶液は、かん水翌日に採取する。
2.
本試験はベンチ栽培であることからポーラスカップの埋設深は10cmと浅くなったが、全施肥を液肥で施用しており、深さによる硝酸イオン濃度の差は少ないと考えられる。地床栽培で化成肥料を追肥する場合は浅い部分の硝酸イオン濃度は変動が大きいため、ポーラスカップの埋設深は20cmとする。
3.
窒素含量の不均一な圃場では、ポーラスカップを多めに設置し、その中で平均的な濃度を示す数地点をサンプリング地点として設定する。
図表1 216985-1.gif
図表2 216985-2.gif
図表3 216985-3.gif
図表4 216985-4.gif
カテゴリ 肥料 カーネーション 栽培技術 施肥 土壌診断 肥培管理

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