タイトル | トマト半促成栽培における栄養診断に基づく追肥法 |
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担当機関 | 千葉農総研 |
研究期間 | 1998~2001 |
研究担当者 |
山本二美 松丸恒夫 大塚英一 斉藤研二 鈴木秀章 |
発行年度 | 2002 |
要約 | トマト半促成栽培における葉柄汁液を用いた栄養診断に基づく追肥法では、基肥窒素3.8~7.5kg/10a程度を施用し、葉柄汁液の硝酸濃度が2,000ppmを下回ったら窒素肥料を追肥することで、目標の収量が確保でき、かつ、慣行施肥窒素量の42~68%減肥ができる。また、本技術を導入すると追肥窒素量は50%以下に低減できる。 |
キーワード | トマト半促成、栄養診断、葉柄汁液、硝酸イオン紙、減肥 |
背景・ねらい | 半促成トマトは、栽培期間が長く、追肥の回数や量が非常に多い。しかし、これまでは追肥時期の判断基準が明確でなく必要以上に追肥が施用されていると考えられる。 そこで、葉柄汁液中の硝酸濃度を測定し、それに基づく追肥法により減肥栽培を確立する。併せて、現地農家において本技術を実証する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 栄養診断は、ピンポン玉程度に肥大した果房の近傍の小葉柄汁液中硝酸濃度を測定することで行う。毎週1回、午前中に、反射式光度計(RQフレックスシステム)か硝酸イオン紙(メルコクァント)で硝酸濃度を測定する。半促成栽培においては、葉柄汁液の硝酸濃度が2,000ppmを下回ったときに液肥または速効性肥料を用いて追肥を行う(愛知県;1995)。 2. 土壌の肥沃度に関わらず、慣行基肥窒素量の25~50%である3.8~7.5kg/10a施用して、栄養診断に基づいた追肥法を実施することにより、慣行施肥量(窒素として基肥15kg/10a、追肥16kg/10a)の42~68%減肥となり、かつ目標の収量を確保することができる(表1、表2)。 3. 基肥窒素を農家慣行として、本技術を現地農家で実証したところ、収量および品質を維持しつつ、追肥窒素量の大幅な低減が期待できる(図1、図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 葉柄汁液の硝酸濃度の判定基準値は作型により異なる。 2. 硝酸濃度の判定は、現地農家では安価で簡便な硝酸イオン紙の利用が適する。硝酸イオン紙による硝酸濃度の判定は、目視によるもので、反射式光度計を使用した追肥の判定結果とほぼ一致する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 栄養診断 施肥 トマト |