雑草イネである脱粒性の赤米・トウコンの防除法

タイトル 雑草イネである脱粒性の赤米・トウコンの防除法
担当機関 長野農事試
研究期間 2001~2001
研究担当者 斎藤 稔
酒井長雄
土屋 学
発行年度 2002
要約 水稲の直播栽培で増加し、出荷米に混入し問題化している雑草イネ(脱粒性の赤米・トウコン)の防除は、移植栽培に転換しトウコンに有効な初期剤+中期剤の体系処理を行うこと及び晩植が有効で、初期剤または初中期剤のみでは防除は困難である。
キーワード 雑草イネ、赤米、トウコン、除草剤、体系処理、晩植
背景・ねらい 水稲直播栽培を連年続けていると長野県内でトウコンと呼ばれている雑草イネ(脱粒性の赤米)が発生し、収穫した米に赤米が混入し、等級低下・検査不合格となることがある。トウコンは脱粒性で成熟種子は水田へ落下し直播水田では栽培水稲と同時発生し、除草剤では防除が困難である。対策としては、トウコン出芽後の耕起や代かきによる埋没、あるいは直播から移植栽培に転換し、移植水稲とトウコンの生育差を利用し除草剤で防除することが有効と考えられる。良質米生産のため、トウコンの効率的防除法を確立する。
成果の内容・特徴 1.
5月の普通期移植では60~100本/a程度トウコンの発生がみられたが、6月の晩植ではトウコンの大部分が出芽後の代かきとなるため、無除草でもトウコンの発生を回避できる。
2.
普通期移植では、プレチラクロール粒剤+シメトリン・モリネート・MCPB粒剤の体系でトウコンの防除が可能である。
3.
普通期移植で初中期剤の移植5日後処理では、プレチラクロール、シメトリン、テニルクロール、インダノファンを含有する剤の効果が高いが完全防除は不可能で、オキサジクロメフォン、カフェンストロール、エドベンザニドを含有する剤にも効果がみられる。
成果の活用面・留意点 1.
トウコンの出芽は不揃いで長期間にわたるため、初期剤あるいは初中期剤のみでは完全防除は不可能で、晩植でも発生する場合がある。
2.
除草剤処理時に、移植水稲は2~4葉に生長し、トウコンは出芽期にあたり除草剤に対する感受性が異なる。この生育のずれが除草効果に影響するので、トウコンの防除は、トウコンの出芽前や出芽始の早い時期にあたる、移植前や移植直後処理の効果が高い。
3.
直播では、水稲とトウコンの出芽が同時のため、除草剤による防除は期待できないため、トウコンの発生した直播水田は移植栽培に転換して防除する。
4.
トウコンが発生した場合は、トウコンが結実する前(出穂直後)に抜き取ること。
5.
土中のトウコン種子の休眠期間は極めて長いので、土中への埋没を削減するため、トウコンの発生圃場は秋耕を実施せず、越冬中の凍結による枯死や鳥による摂食等により土壌表面種子の削減を図る。
6.
単年度の処理でトウコンの発生量を削減できるが完全防除は困難で、種子寿命が長いため、土中の種子が耕起等によりトウコン種子が地表近く掘り返された場合、それまで発生の見られなかった水田に発生する場合がある。
図表1 216992-1.gif
カテゴリ 病害虫 雑草イネ 直播栽培 出荷調整 除草 除草剤 水田 水稲 防除

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