大豆の小麦立毛間散播栽培法

タイトル 大豆の小麦立毛間散播栽培法
担当機関 長野農事試
研究期間 2000~2001
研究担当者 斎藤稔
手塚光明
酒井長雄
袖山栄次
中澤伸夫
土屋学
発行年度 2002
要約 小麦の成熟期や収穫が遅れたり降雨等で圃場条件が悪く、小麦収穫後大豆の適期播種が不能と予想される場合、小麦収穫前に慣行播種量の1.5~2倍の大豆を小麦立毛間に散播し、小麦収穫時に切断麦稈で被覆すると、慣行晩播栽培と同等以上の生育・収量を確保できる。
キーワード 大豆、小麦、立毛間散播、適期播種、省力播種
背景・ねらい 麦・大豆の二毛作限界地帯では、小麦の収穫が生育の遅延、梅雨期の気象条件等によりしばしば遅れやすく、そのため後作大豆の播種が晩限を過ぎ、大幅な遅播きとなってしまう事例も多い。大豆は早生品種を使用しても播種時期の遅れは収量低下に直接結びつくために、晩播での適期播種は必須条件である。そこで、小麦収穫と大豆播種の作業競合を回避しながら適期作業を可能とする立毛間播種法の開発を行う。
成果の内容・特徴 1.
小麦の成熟期や収穫が遅れた場合、また降雨等により圃場条件が悪く小麦収穫後大豆を適期に播種できない場合、麦の立毛中に大豆を散播し、麦をコンバインで収穫し、排出された切断麦稈で被覆し、乾燥を防止し出芽、苗立させる(図1)。
2.
小麦収穫前に播種することで60~80%の苗立が得られ、適期播種のため慣行麦後晩播栽培と同等以上の収量が得られる。
3.
播種期が早すぎると(麦収穫10日以上前)、小麦収穫前に大豆が出芽・伸長し、収穫作業時の折損等で苗立が劣り、減収する(表1、図2)。
4.
播種量は慣行播種量の1.5~2倍程度が必要苗立数を確保しやすい(表1)。
5.
表面播であるが、慣行栽培と苗立数が同じ場合は成熟期の抜根抵抗に大きな差は見られず(図3)、倒伏は同等かやや多い程度であるが、密播では増加する(表1、図3)。
成果の活用面・留意点 1.
本栽培法は降雨等により前作麦の収穫が遅れ大豆を適期播種できない場合に利用する技術である。
2.
播種は動力散粒機または産業用無人ヘリコプター(RCヘリ)を用いて散播する。
3.
基肥は小麦収穫後に施肥する。なお、前作小麦の肥培管理が適正な場合には無肥料でも多収である。
4.
小麦の生育量が劣り麦稈が不足すると、被覆度が劣り乾燥・鳥害等により苗立率が低下し、雑草発生も増加するため、前作小麦の生育量が確保された圃場での導入が望ましい。
5.
麦稈切断長は10cm以下で短い方がよく、大豆の鳥害対策は慣行栽培と同様実施する。
6.
一年生イネ科雑草が発生した場合、生育期処理除草剤で発生初期に防除する。一年生広葉雑草(イヌガラシ、シロザ、イヌタデ、イヌビユ等)が発生した場合、中耕培土作業が困難であることと生育期処理登録除草剤が現時点ではないので、抜き取りにより除去する。
7.
倒伏は少ないが、播種密度が高く繁茂量が多い箇所では発生の危険があるので、密播は避ける。
図表1 216994-1.gif
図表2 216994-2.gif
図表3 216994-3.gif
図表4 216994-4.gif
図表5 216994-5.gif
図表6 216994-6.gif
カテゴリ 肥料 病害虫 乾燥 小麦 雑草 除草剤 施肥 大豆 鳥害 二毛作 播種 肥培管理 品種 防除

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