小麦「イワイノダイチ」の高品質安定栽培技術(追肥法)の確立

タイトル 小麦「イワイノダイチ」の高品質安定栽培技術(追肥法)の確立
担当機関 栃木農試
研究期間 1999~2001
研究担当者 正部家二朗
伊澤由行
山口正篤
発行年度 2002
要約 灰色低地土の水田で栽培した「イワイノダイチ」は茎立期に追肥するとタンパク質含量がやや増加し、増収する。茎立期+20日に追肥するとタンパク質含量は増加するが、外観品質が低下する。
キーワード 小麦、イワイノダイチ、追肥、タンパク
背景・ねらい 平成12年に認定品種に採用された小麦「イワイノダイチ」は現在県内で試作中である。国内産小麦は実需者から品質が劣るとともに品質(特にタンパク含量)のバラツキが指摘されている。そこで「イワイノダイチ」を普及させるにあたって、小麦の産地である県南部に分布する灰色低地の土壌条件において、その追肥の有無及び時期・量をタンパク含量及び外観品質を向上させるため検討した。
成果の内容・特徴 1.
無追肥区で比較すると、イワイノダイチのタンパク質含量は農林61号よりやや低く、品種の特性としてイワイノダイチは農林61号よりタンパク質含量はやや低いといえる。(表2)
2.
茎立期の葉色が40前後を下回り、葉色×茎数値が50000前後を下回ると低タンパクになる。(表3)
3.
茎立期の追肥で子実重は増加する。有効茎歩合の向上による穂数の増加と穂長が長くなることが要因と考えられる。茎立期+20日の追肥では子実重はやや増加するが、茎立期の追肥ほどの増収効果は認められなかった。したがって、収量面では茎立期の追肥が有効である。また、追肥窒素量は0.2kgと0.4kgで子実重の差は認められない。(表1,2)
4.
茎立期の追肥によってタンパク含量はやや増加する。茎立期+20日の追肥ではタンパク含量は増加するが、外観品質がやや低下する。また、追肥窒素量は0.2kgと0.4kgでタンパク含量の差は認められない。(表2)
5.
茎立期の葉色が40前後を下回り、葉色×茎数値が50000前後を下回った場合に、茎立期に窒素成分で0.2から0.4kg/a程度の追肥を行うことで外観品質低下を招かずに低タンパクの防止ができ、増収する。
成果の活用面・留意点 1.
生育はほ場条件によって異なるため、追肥にあたっては茎立期の葉色及び葉色×茎数値による診断が必要である。
図表1 216997-1.gif
図表2 216997-2.gif
図表3 216997-3.gif
カテゴリ 安定栽培技術 小麦 水田 品種

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