タイトル | 根こぶ病抵抗性カブ「河内赤かぶ1号」 |
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担当機関 | 福井農試 |
研究期間 | 1996~2003 |
研究担当者 |
斎藤稔 野村幸雄 永井輝行 石川武之甫 駒野雅保 篠山治恵 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 「河内赤かぶ1号」は、在来のカブ「河内赤かぶ」に根こぶ病抵抗性のカブ「77b」を交配し、「河内赤かぶ」へ戻し交雑した根こぶ病抵抗性カブで、在来の「河内赤かぶ」より品質、漬物食味が優れている。 |
キーワード | カブ、根こぶ病抵抗性、河内赤かぶ1号 |
背景・ねらい | 福井県足羽郡美山町で栽培されている「河内赤かぶ」は、1990年ごろから、根こぶ病の罹病が問題になってきた。そこで、「河内赤かぶ」に根こぶ病抵抗性のカブを交配し、戻し交雑によって抵抗性系統を育成する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 育成の経過 1996年に「河内赤かぶ」に根こぶ病抵抗性のカブ「77b」(野菜茶研分譲)を交配した。そのF1を、根こぶ病菌を混和した土壌で育苗して根こぶ病の幼苗検定を行い、抵抗性個体を選抜した。この個体を「河内赤かぶ」に戻し交雑し、同様の戻し交雑を2回くりかえしてから自殖を行い、抵抗性のホモ化と形質選抜を並行して行った。この系統を現地で栽培したところ、農家から在来系統により近い形質を望む要望が出たため、さらに2回戻し交雑を行った。自殖を2回繰り返しながら現地で特性検定を行ったところ、その優秀性が認められたので、育成を終了した(図1)。 2. 特性の概要 (1) 根こぶ病に対して、在来系統よりも強い抵抗性を示す(表1、図2)。 (2) 在来系統に比べて、外観はほぼ同様の生育を示し、株元の締まりも在来系統に似てよく締まっている(表1)。 (3) 生食および漬物にした食味試験では、匂い、食感の点で在来系統より優れ、総合的にも在来系統と差はみられない(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本系統の育成により、減農薬栽培が可能となり、伝統野菜としての付加価値の向上が期待できる。さらに、転換畑での栽培が可能になるので、栽培面積の増加が見込める。 2. 本系統に対して罹病性を示す新しい根こぶ病菌のレースの出現を防ぐため、連作を避けるなどの耕種的防除を励行する。 3. 育成系統は在来系統と交雑しないように隔離栽培を行った圃場から採種し、根こぶ病抵抗性の維持に努める。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 育苗 かぶ くり 茶 抵抗性 伝統野菜 農薬 防除 良食味 |