タイトル | 生食・調理加工兼用トマトF1品種「SPL8」 |
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担当機関 | 神奈川農総研 |
研究期間 | 1996~2002 |
研究担当者 |
北宜 裕 吉田 誠 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 果実が長円筒形で桃赤色、果肉は鮮赤色で硬く、グルタミン酸及びリコペン含量が顕著に高いため、生食のみならず調理加工(クッキング)にも適するF1品種「SPL8」を育成した。複数の病害抵抗性因子を有するので、促成作型を含む幅広い作型での栽培が可能である。 |
キーワード | トマト、グルタミン酸、リコペン、生食・調理加工兼用 |
背景・ねらい | 促成作型を中心とした幅広い作型での栽培が可能で、直売にも適した新規性の高いトマトF1品種を育成すべく、果形とグルタミン酸及びリコペン含量の高さに着目するとともに、栽培しやすさを考慮して複数の病害抵抗性因子の導入を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. 育成経過 1996年に米国から導入したローマ型系統に'マイロック'を交配し、さらに'瑞栄'を交配して得た選抜後代(自殖第5代)と、1986年に旧東ドイツから導入したポテトリーフ型品種から育成した中玉系統に'ハウス桃太郎'を交配して得た選抜後代(自殖第5代)との交雑によるF1品種として育成した(図1)。 2. 品種特性 (1) 果実は長円筒形、桃赤色で硬い。葉は小さく、葉色が濃いため、全体としてコンパクトな草姿を示す(表1)。生育後半になっても草勢は衰えず、安定して着果する。 (2) 果実のBrix、酸度は一般品種と同等だが、果肉は鮮赤色で厚く、グルタミン酸及びリコペン含量が顕著に高いことから、生食のみならず調理加工(クッキング)にも適する(表2)。 (3) 非心止まり型で、TMV(Tm-2a)、萎凋病(I2)及び半身萎凋病(Ve)抵抗性因子を有するので、施設と露地の幅広い作型での栽培が可能である(データ省略)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 施設の促成作型から露地栽培まで利用可能である。 2. 日持ちが良く、果実の形が特徴的で果肉色も鮮やかなので直売にも適する。 3. 多肥条件下ではすじ腐れ果が発生しやすいので、基肥は通常の1/2以下とし、生育を見て追肥により草勢のバランスを取る。 4. 気温が高くなると尻腐れ果が発生しやすくなるので、土壌水分が不足しないよう十分かん水する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 加工 抵抗性 トマト 病害抵抗性 品種 |