タイトル | ホウレンソウ水耕栽培の高アスコルビン酸及び低硝酸化栽培技術 |
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担当機関 | 岐阜農技研 |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
安田雅晴 越川兼行 下畑次夫 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 水耕ホウレンソウは、1穴当たりの株立ち数が少ないほど、また、生育ステージが早いほど、アスコルビン酸濃度が高く、硝酸態窒素濃度が低い。水耕栽培の給液回数を葉長15cm程度から制限し、更に、収穫約1週間前から培養液の窒素形態をアンモニア態のみとすることにより、アスコルビン酸濃度を高め、硝酸態窒素濃度を低減することが可能である。 |
キーワード | ホウレンソウ、アスコルビン酸、硝酸態窒素、水耕栽培 |
背景・ねらい | ホウレンソウは、アスコルビン酸(ビタミンC)等の機能性成分を多く含む野菜として着目されているが、人体内で発がん物質に変化するとされる硝酸態窒素を含むため、収穫物中の硝酸態窒素を少なくすることが求められている。そこで、ホウレンソウの高品質化栽培条件を水耕栽培において検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. ホウレンソウは、生育が進むとともに、アスコルビン酸濃度が低く、硝酸態窒素濃度が高くなる(図1)。 2. 1穴当たりの株立ち数が少ないほど収量は少なくなるが、葉身比及び葉色が優れ、アスコルビン酸濃度が高く、硝酸態窒素濃度が低くなる(表1)。 3. 葉身は葉柄に比べてアスコルビン酸濃度が高く、硝酸態窒素濃度が低い。このため、株立ち数が少ない栽培では葉身比が高くなることで株全体の成分が向上する。更に、株立ち数が少ないと、部位別でも、葉身・葉柄それぞれでアスコルビン酸濃度が高く、硝酸態窒素濃度が低く、成分が向上する(図2)。 4. 葉長15cm程度時に、給液回数を4~18時・30分毎に5分間28回/日の給液から、6月播種で6回/日、12月播種で4回/日の給液に制限し(給液制限)、使用する培養液を収穫1週間前に、園試処方培養液から、供給窒素形態がアンモニア態のみとした培養液に換える(培養液置換)ことにより、収量・外観を損なうことなく、アスコルビン酸濃度を慣行区の25%以上高く、硝酸態窒素濃度を60%以上低くすることができる(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 1穴当たりの株立ち数が少ないと、葉長の伸びが遅れるため、年間作数が減少する。 2. 品種・栽培時期により、最適栽植密度が異なる。 3. 最適な給液制限の回数及び培養液置換時期は、栽培時期によって異なる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 機能性成分 栽培技術 栽培条件 水耕栽培 播種 品種 ほうれんそう |