タイトル | 根域制限ベッドと太陽熱併用熱水土壌消毒によるキュウリ自根栽培 |
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担当機関 | 群馬園試 |
研究期間 | 2000~2004 |
研究担当者 |
阿部晴夫 松沼俊文 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 遮根透水シ-トを用いた根域制限ベッドで太陽熱と灯油給湯器の少量の熱水により土壌消毒することで、根域内は土壌病虫害から回避され、キュウリ自根栽培が可能である。また、年3作型で慣行の接ぎ木栽培並の収量が確保され、労働時間が削減される。 |
キーワード | 根域制限栽培システム、熱水土壌消毒、自根、キュウリ、 3作型 |
背景・ねらい | 農薬や肥料の使用量削減による環境負荷の低減と省力化は、産地維持に不可欠となっている。根域制限ベッド利用による太陽熱と、少量の熱水による農薬を使用しない「太陽熱併用熱水土壌消毒法」と、肥料の有効利用を図り、過剰な施肥を避けた環境負荷低減技術省力化に繋がるセル成型苗を利用したキュウリ自根栽培技術、1作の栽培期間を短縮した年3作型としての高品質化技術、これらを体系化した生産技術を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 盛夏期、太陽熱消毒し地温を上げた状態で根域制限ベッド上をポリフィルム等でトンネル状に被覆し、2本のかん水チュ-ブを上向きにして、75℃の熱水を散水する。本方法により熱の拡散性が向上し、散水開始から210分、ベッド面積当たり124.7l、ほ場面積当たり47.4lで根域全体が土壌消毒に必要な地温55℃以上、遭遇時間30分以上が可能となる(表1)。 2. 遮根透水シ-トを用いた根域制限ベッドの形状は、幅83cm、深さ15cmが太陽熱による熱利用効果が高く、短時間での熱水土壌消毒可能であり、収量も多く適している(デ-タ省略)。 3. 根域制限ベッド内のみに施肥することで、慣行施肥量に対し20%の減肥栽培が可能となる(表2)。 4. 年間3作型とすることで年間2作型(抑制+促成)よりも収量、上物率が高くなる。また3作型は、2作型よりもほ場内労働時間が年間で約10%短縮する(図1、図2)。 5. 冬期、定植前に熱水処理、かん水に温湯を利用することで地温が確保され、生育が促進し、収量が増加する(デ-タ省略)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 熱水消毒を行う場合、1回の消毒可能面積が小さく、10aあたり5~7日程度必要。 2. 根域制限ベッド栽培システム設置に10a当たり550,000円程度。また10a当たりの灯油代として、熱水土壌消毒時に9,000円程度要する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 病害虫 環境負荷低減 きゅうり 栽培技術 省力化 施肥 接ぎ木 土壌消毒 農薬 |