作土への用水浸透率を調節できるワサビ新栽培システム

タイトル 作土への用水浸透率を調節できるワサビ新栽培システム
担当機関 静岡農試
研究期間 1999~2001
研究担当者 伊奈健宏
飯山俊男
発行年度 2002
要約 従来の畳石式ワサビ田のような特殊な造成技術を必要とせず、設置場所を選ばない隔離ベッド構造のワサビ新栽培システムを開発した。この装置を用いて用水の10~20%が作土層に浸透するようにバルブで調節すると、約12ケ月間で従来方式と同等のワサビ生産が可能である。
キーワード ワサビ、新栽培システム、隔離ベッド、畳石式
背景・ねらい 静岡県ワサビの大部分を占める畳石式ワサビ田は、造成後時間の経過とともにその生産力が低下するため、定期的に造成を繰り返す必要がある。しかし、ワサビ田を造成するためには、石材の加工法や組み合わせ方などに特殊な技術や経験を必要とするため、今後の本県ワサビ栽培の制限要因となりつつある。そこで、造成に特別な技術や経験を必要とせず、しかも、設置場所を選ばない新しいワサビ栽培システムを開発する。
成果の内容・特徴 1.
深さ25cmのベッドの底に大きさ5mm前後の砂利を厚さ5cm程敷き、この上に作土を厚さ20cm程度入れる。ベッドの片側にはバルブを付けた排水口を取り付け、排水口が下になるようにベッド全体を1/80~1/100傾ける(図1)。
2.
本システムの用水は、畳石式ワサビ田の用水と基本的に同様のものとし、水温8~18℃EC0.1dS/m前後、pH6.5~7.0が望ましい。
3.
株あたり用水量は30ml/株・sec程度必要で、この約10~20%が作土層に浸透するようバルブにより調節する(図1、表1)。
4.
使用する作土は、川砂またはスコリアが望ましい(表2)。
5.
このシステムは、塩ビ管等で導水が可能であれば設置場所を選ばない。
6.
このシステムによりワサビ「静系17」を用いて12ケ月栽培すれば、1本あたり乾物重9g程度の主根茎の生産が可能であり、これは従来方式の畳石式とほぼ同程度である(表2)。
成果の活用面・留意点 1.
塩ビ管等で導水する場合、断熱効果のある資材で塩ビ管等を被覆し、気温の影響による水温の変動を防ぐ。
2.
設置場所の立地条件によって光条件や気温などの微気象が異なるため、照度計や温度計により環境条件を測定し、必要に応じて被覆資材や被覆期間等を決定する。
図表1 217036-1.gif
図表2 217036-2.gif
図表3 217036-3.gif
カテゴリ 加工 光条件 わさび

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