家畜ふん堆肥の塩類組成

タイトル 家畜ふん堆肥の塩類組成
担当機関 新潟農総研
研究期間 2000~2004
研究担当者 小柳渉
安藤義昭
発行年度 2002
要約 家畜ふん堆肥中塩類の主成分は、肥料成分として利用できる塩化カリウムである。カリ肥料としては塩化カリや硫酸カリと同等に利用できる。
キーワード 家畜ふん堆肥、塩類、カリ肥料
背景・ねらい 家畜ふん堆肥の施用による土壌塩類集積が問題となっている。さらに、家畜排泄物法施行により野積みが禁止され、畜産農家から供給される堆肥は以前に比べ塩類濃度が高いものになる。しかし、塩類の組成が不明なため対策が難しい。そこで、組成を明らかにし、塩類有効利用および塩類障害回避の方策を検討する。
成果の内容・特徴 1.
堆肥中の塩類濃度を表す電気伝導率(抽出率1:10)は、抽出液中のCa2+,Mg2+,K+,Na+,NH4+,H2PO4-,Cl-,NO3-,SO42-の合計量と非常に高い(r=0.995:n=41)正の相関があることから、これらの水溶性イオンが塩類の成分である。
2.
水溶性陽イオンの主体はカリウムイオン、水溶性陰イオンの主体は塩素イオンである(図1)。
3.
ナトリウムイオンはカリウムイオンに比べて5分の1以下と少ない。
4.
塩類の主成分である水溶性カリウムイオンは、全カリウムの70%程度を占める(図2)ので、肥料成分として有効に利用すれば、塩類濃度の上昇を防ぐことができる。
5.
土壌中で過剰になりがちで塩類集積の一因となる副成分の塩素とイオウの合計量は、家畜ふん堆肥では全カリウムより少ないので、カリ肥料としては化学肥料より優れている。(化学肥料はClとSの合計量がKと同量)
成果の活用面・留意点 1.
堆肥中の塩類は肥料成分であることを啓発できる。
2.
化学肥料カリの施用量を削減することで塩類濃度の上昇を防ぎ、適正な施用が可能となる。
3.
カリウムは肥料として利用するには成分量のばらつきが大きいが、希硫酸抽出と小型反射式光度計により簡易測定できる。
図表1 217057-1.gif
図表2 217057-2.gif
カテゴリ 肥料 簡易測定

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