タイトル | トマト養液栽培における本圃でのパーライト利用と水位管理 |
---|---|
担当機関 | 三重科技セ |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
出岡裕哉 小西信幸 田中一久 礒崎真英 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 養液栽培において、培地にパーライトを利用するときは、定植時に培地底面の3cm上、定植2週間後に培地底面まで水位を下げる水位管理をすると、ロックウールと同等の品質、収量を得ることができる。 |
キーワード | パーライト、培地、トマト、養液栽培、培養液管理・水位管理 |
背景・ねらい | 国内の養液栽培の31%(平成11年)を占めるロックウール栽培では、使用済みロックウールを水田に混和したり、再処理工場で処理を行っている。しかしながら、再処理工場での処理に要するコストは高く、他の培地を用いた栽培方法の開発が求められている。 成型ロックウールより安価なパーライトはロックウール同様、化学的に不活性な素材であり、養液栽培には適しているが、保水力が異なる。そこで、パーライトに応じた定植後の水位管理について検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 開発した水位管理技術は、ロックウール栽培用ベットを利用し、ロックウールと同容量(22.5リットル/m、幅30cm、高さ7.5cm)のパーライト(粒径0.7~3.5mm、平均粒径1.6mm、H社製、W-2S)を用いたトマト養液栽培に最適である(図1)。 2. 培地にパーライトを用いるときには、定植時に培地底面の3cm上、定植2週間後に培地底面まで水位を下げる水位管理をすると、生育、果実糖度に影響なく、ロックウールと同等の総収量、平均果実重が得ることができる(表1)。 3. 同上の水位管理をすると、果実品質割合についても、ロックウールと同等の果実品質を確保できる(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. パーライトの粒径が異なると、最適な水位管理が異なるので、同じ粒径、種類のものを使用する。パーライトの価格は11円/L(参考価格、三重県内で100L入りを200袋購入時、運賃を含む)で、ロックウールより2割程度安価である。 2. パーライトは水に浮く性質があるので、定植初期に手かん水による給液を行うときは、散水ノズル等を利用して水量をロックウールに給液する時より弱め、パーライトが飛び散ったり、培養液が培地上部に溜まるほど給液を行わない。 3. 水位を変更するときは、2回程度に分けて、1回目は設定の半分の1.5cm下げ、2回目は1週間程度時間をおき、残りの半分を下げ、設定の位置(培地底面)にするなどして、徐々に水位を下げる。 4. 本試験ではS社製の栽培ベットを用いているが、培地が同じ形状を維持でき、水位レベルが調整できる構造であればよい。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 管理技術 コスト 栽培技術 水田 トマト 養液栽培 |