タイトル | 切り花の点滴かん水施肥栽培のための細粒黄色土の水分環境改善 |
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担当機関 | 愛知農総試 |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
加藤博美 橋本智也 西尾譲一 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 構造的に不均一な細粒黄色土で点滴かん水施肥によりスプレーギクを栽培する場合、ピートモスを容量で10~20%混合し、1日に1時間間隔で1回1平方メートル当たり0.5Lを6回点滴かん水すると、作土層内に水分を保持しつつ水平方向へも比較的均一に水分を拡散させることができる。 |
キーワード | 細粒黄色土、点滴かん水、ピートモス、スプレーギク |
背景・ねらい | 細粒黄色土は、愛知県内の主要な花き生産地帯である東三河に広範囲に分布する土壌である。当地域においても切り花生産に生産コストや環境負荷低減の観点から、点滴かん水施肥栽培が導入されつつある。しかし、切り花栽培は栽植密度が高いことから導入に当たっては、粗大土塊で不均一な構造となりやすい細粒黄色土壌の作土層内に水分を均一に分布させる必要がある。 |
成果の内容・特徴 | 1. 未耕作の細粒黄色土壌にピートモスやバーク堆肥を混合すると、混合量の増加にともなって容積重は軽くなり土壌と良好に混和できるが、パーライトは混和しづらいため混合量の増加と容積重軽量化の間にばらつきがみられる(データ省略)。 2. 未耕作の細粒黄色土壌に土壌改良資材を混合して(図1)、1日に1平方メートル当たり3Lを点滴かん水すると畝内の水分は下層ほど高くなる(図2)。 3. 細粒黄色土にピートモスを容量の10~20%混合すると、深さ30cmの水分が低くなる傾向がみられ、より下層への水分移動の抑制を伺わせる。しかし、大量の混合は、かえって下層への水分移動を促進する傾向がみられる(図2)。 4. 1日当たりの総かん水量を3Lとして、1回のかん水量とかん水回数を変えても、畝内の上層と下層の水分差には大きく影響しないが、上下層の水分差はピートモス混合区が最も小さくなる傾向にある(図3)。 5. 点滴かん水後の畝表面の水分拡散状態を比較すると、1日に1平方メートル当たり、1回0.5Lで6回かん水した区では表面全体に比較的均一な拡散がみられる。それに対し、1回1L、3回のかん水では不均一な水分拡散状態となる(写真1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 試験で実施したかん水量は、12月中下旬採花のスプレーギクのデーターに基づいているので、栽培時期によりかん水量を勘案する。 2. 土壌改良資材を大量に混合すると表面が乾燥する傾向がみられるので、大量の混合は避ける。特に、パーライトは混合時に上層へ移動する傾向があるので注意を要する。 3. ピートモスの混合に当たっては、土壌pHの変化に注意する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | 環境負荷低減 乾燥 きく コスト 施肥 土壌改良 |