タイトル | 黒ボク土壌への石灰及びりん酸資材多投により施肥りん酸の固定率が減少 |
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担当機関 | 愛知農総試 |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
北村秀教 柴田玲子 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 黒ボク土壌への石灰資材多投入により、施肥りん酸がアルミニウム型りん酸として固定される割合が減少し、可給態と考えられる石灰型りん酸として土壌に蓄積される割合が増加する。しかし、りん酸吸収係数の高い土壌では、りん酸資材多投による固定率減少効果の方が大きい。 |
キーワード | 可給態りん酸、石灰、石灰型りん酸、アルミニウム型りん酸 |
背景・ねらい | 長期施肥試験の中で、黒ボク土壌を用いた試験区では、開始から4年目に施肥りん酸(過りん酸石灰)の固定割合が減少したためか、トルオーグりん酸含量が急激に高くなった(図1)。この原因として黒ボク土壌に多施用した石灰による影響が考えられたため、愛知県下の中粗粒褐色低地土、厚層多腐植質黒ボク土、つくば市の淡色黒ボク土を供して、りん酸添加量と石灰添加量を変え、室内試験により実証を試みる(表1)。 |
成果の内容・特徴 | 1. りん酸添加量を6段階設け、添加したりん酸の形態別無機りん酸への変化割合を見ると、石灰を多量に添加することにより3土壌とも石灰型のりん酸に変化する割合が増加し、アルミニウム型、鉄型のりん酸に変化する割合が減少する(図2)。 2. 石灰添加により、添加したりん酸がアルミニウム型、鉄型のりん酸に変化する割合は、りん酸吸収係数の高い土壌ほど小さくなる(図2)。 3. 添加したりん酸がトルオーグ法で抽出されるりん酸に変化する割合は、石灰添加により厚層多腐植質黒ボク土で大きく増加するが、りん酸吸収係数の小さい中粗粒褐色低地土及びりん酸吸収係数のより大きい淡色黒ボク土では増加は小さい(図3)。 4. 黒ボク土においては、りん酸添加量が多くなるとトルオーグ法で抽出されるりん酸への変化割合が増加がする。特に淡色黒ボク土では、石灰添加による効果を大きく上回る(図3)。 5. 長期施肥試験で生じた現象は、石灰の多量施用(3年間で過りん酸石灰由来の石灰を含め 2,900kgCaO/10a)のみでなく、りん酸の多施用(3年間で1,600kgP2O5/10a)も伴って起こったものと考えられる。 6. 以上のことから、施肥りん酸が固定されやすい黒ボク土壌では、石灰資材の施用により施肥りん酸の固定割合が減少するが、石灰資材の施用より、りん酸資材の施用の方が施肥りん酸の固定割合の減少効果が高いと思われる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 土壌化学性変化予測に組み入れる。 2. りん酸の固定割合と資材施用量、土壌のアルミニウム含量等の関係について定性的な効果の把握はできたが、定量的な把握ができていない。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | くり 施肥 |