タイトル | 集合フェロモン剤を用いたホソヘリカメムシ捕獲トラップ |
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担当機関 | 愛知農総試 |
研究期間 | 2001~2002 |
研究担当者 |
石川博司 中村充 |
発行年度 | 2002 |
要約 | ホソヘリカメムシの集合フェロモン剤を用いた箱型粘着トラップでホソヘリカメムシの成虫と幼虫を効率的に捕獲することができる。 |
キーワード | 箱型粘着トラップ、集合フェロモン剤、ホソヘリカメムシ |
背景・ねらい | ダイズの重要な子実害虫であるホソヘリカメムシの集合フェロモン剤(富士フレーバ製)は成虫と幼虫を強く誘引するため、この集合フェロモンを利用したホソヘリカメムシの発生予察法の開発が期待されている。そこで、捕獲効率が高く、扱いも容易なホソヘリカメムシ捕獲トラップを考案する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 集合フェロモンと黄色昆虫誘引器(サンケイ化学製、コガネコール用誘引器)を組み合わせたトラップをダイズほ場隣接地に設置することにより、ホソヘリカメムシの成虫と幼虫を捕獲することができるが(図1、グラフ)、黄色昆虫誘引器は誘引された個体のうち捕獲できる個体が少なく(図1、写真)、より正確な調査を行うには、もっと捕獲効率が高いトラップを開発する必要があると思われた。 2. 乾式フェロモントラップ(武田薬品製)内に粘着板(サンケイ化学製SEトラップ用)を設置した「箱型粘着トラップ」は粘着板を使用することでトラップ内に入った成虫と幼虫の逃亡を阻止でき、捕獲された成虫と幼虫の回収も簡易化できた(図2)。 3. 集合フェロモン(100mg)と組み合わせた4種類のトラップ(箱型粘着トラップ・黄色昆虫誘引器・粘着トラップ(サンケイ化学製SEトラップ用を3枚使用し、2枚は裏面を合わせて立て、その下に粘着面を上向きに一枚設置したもの)・ファネルトラップ(武田薬品製)、いずれも集合フェロモンの高さは地上から55cm)をダイズほ場隣接地に5m間隔に設置して5日後に各トラップに捕獲されるホソヘリカメムシの成虫及び幼虫数を調査した。なお、4種類のトラップの設置場所は、調査ごとにローテーションした。その結果、箱型粘着トラップはホソヘリカメムシの成虫と幼虫を最も多く捕獲することができた(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 箱型粘着トラップは集合フェロモンを用いたホソヘリカメムシ用トラップとして利用できる。 2. 乾式フェロモントラップのサイズに合わせて発生予察用粘着板を切断する必要がある。 3. 幼虫を捕獲しやすいように、ワグネルポットなどの幼虫が歩行しやすい台の上に箱型粘着トラップを設置する必要がある。 4. 多数捕獲された場合、発生予察用粘着板を交換する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 害虫 カメムシ 大豆 フェロモン |