豚ぷん堆肥の窒素無機化特性と肥効推定法

タイトル 豚ぷん堆肥の窒素無機化特性と肥効推定法
担当機関 岐阜農技研
研究期間 1998~2002
研究担当者 棚橋寿彦
矢野秀治
発行年度 2002
要約 豚ぷん堆肥の30℃培養での窒素無機化パターンは、発酵方式により大別される。縦型密閉方式や、乾燥ハウス処理の堆肥では窒素無機化が長期間続き、堆積発酵の堆肥では無機化がほとんどないかごく短期であり、C/Nの16以上の場合には有機化が起こる。このうち、堆積発酵のC/N16未満の堆肥では0.5M塩酸抽出により窒素肥効が推定できる。
キーワード 豚ぷん堆肥、窒素無機化
背景・ねらい 家畜ふん堆肥の適正なリサイクルを推進する上で、肥効を把握し施肥設計に反映することが重要である。豚ぷんは堆肥化方法が多様化しており、産出される堆肥も様々である。そこで、培養により窒素無機化パターンの把握を行い、窒素肥効の推定手法を検討した。
成果の内容・特徴 1.
豚ぷん堆肥は、岐阜県内各地域の堆肥供励会出品物で、副資材はオガクズ23点、モミガラ8点(混合5点)、無し10点である。
2.
畑条件30℃で30週間培養した結果、窒素無機化パターンは当初の無機態窒素含量から無機化が進まないもの(タイプA)、4週までに無機化が進み以後ほとんど増加しないもの(タイプB)、無機化が20週まで続くもの(タイプC)、8週まで有機化が進行し以降増加に転ずるもの(タイプD)の4種類に分類される(図1)。
3.
各タイプの堆肥の特徴から、窒素無機化パターンは以下の様に分類できる(表1)。発酵方式が堆積発酵で無機態窒素の主体が硝酸・亜硝酸のものは無機化が進まないが(タイプA)、C/Nが16以上となるといったん有機化する(タイプD)。アンモニア態窒素が主体のものは初期のみ無機化が見られる(タイプB)。
縦型密閉方式や乾燥ハウス処理のものは長期間無機化する(タイプC)。
4.
タイプA・Bの堆肥において4週培養による無機態窒素量と常法(2M塩化カリウム)による堆肥中無機態窒素量の関係をみるとタイプBではらつきがみられる(図2)。0.5M塩酸抽出では4週培養無機態窒素量とほぼ同量の関係となり、高い正の相関が得られ、このタイプの堆肥では4週以降の窒素無機化の増減が少ないことから、0.5M塩酸抽出での無機態窒素含量を測定することで窒素肥効を推定することができる(図3)。
成果の活用面・留意点 1.
0.5M塩酸抽出液をインドフェノール法にて分析する場合、抽出液の添加量は発色時液量の20分の1以内とする。
2.
0.5M塩酸抽出液を蒸留により分析する場合、酸化マグネシウムの量を抽出液10mLに対し0.2g以上添加する。また、デバルダ合金を使用し無機態窒素量を定量する場合には抽出液に4倍量の水を添加する。
図表1 217096-1.gif
図表2 217096-2.gif
図表3 217096-3.gif
図表4 217096-4.gif
カテゴリ 乾燥 施肥

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